2002 Fiscal Year Annual Research Report
共創型介助ロボットWalk-Mateの高齢者への適用に関する研究
Project/Area Number |
14350226
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三宅 美博 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20219752)
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Keywords | 共創システム / 歩行介助 / インタフェース / マン・マシンインタラクション |
Research Abstract |
われわれは、歩行障害を器質的な問題としてではなく、環境と身体の相互作用における時間-空間的な運動パターンの共創として捉えてきた。そして、制御する側とされる側を区別するマスタ・スレーブ形式に基づく介助手法を問題とし、共創型システムとしてのWalk-Mateを提案してきた。そして擬似的に構成した歩行障害においてその有効性を示唆した。しかし、高齢者等における実際の歩行障害に対しては、まだ体系的な調査が実施されていない。このような背景から、本研究では、高齢者に適用可能なWalk-Mateを新たに構築し、その歩行介助における有効性について調べることを目標にしている。本年度は3年計画の初年度として、下記の2つの問題に取り組んだ。 1)高齢者用Walk-Mate構築 旧型Walk-Mateは、高齢者に適したハードウェアにはなっていない。そこで、本研究では最初に、Walk-mateの小型化とユーザビリティの改善を進める。まずWalk-Mateを実装する計算機としてPDAを用いることで小型化を実現した。また脚の運動検出に加速度センサーを用いることで、従来の脚接地センサーを越える運動計測制度を達成した。さらにWalk-Mate装着時に問題になっていた、センサーと計算機を接続するコードの問題にも改善を加えた。これはブルーテゥース等の無線化技術を導入することで、センサー部と計算機部をコードレス化した。 2)高齢者への有効性を評価 今年度は上記の新型Walk-Mateの開発と並行して、旧型Walk-Mateを用いて高齢者の歩行障害への有効性調査を準備的に進めた。歩行障害を人間とWalk-Mateから成るダイナミカルシステムの視点から安定性として評価することを試みた。その結果、Walk-Mateに高齢者の歩行の安定性を促進する性質があり、転倒防止に有効であることが示唆された。さらに片側性障害に起因する歩行運動の非対称性を緩和する効果、パーキンソン病における加速歩行の緩和などに有効であることが示唆された。これらの結果は、次年度以降、新型Walk-Mateにおいて再確認する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 武藤剛, 三宅美博: "歩行介助を目的とする人間-ロボット協調系における共創出過程の解析"計測自動制御学会論文集. 38-3. 316-323 (2002)
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[Publications] 高梨豪也, 三宅美博: "共創出型介助ロボット"Walk-Mate"の歩行障害への適用"計測自動制御学会論文集. 39-1. 74-81 (2003)
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[Publications] Muto, T., Miyake, Y.: "Analysis of the Coemergence Process on the Human-Human Cooperation"Proc.of 2002 IEEE Int.Workshop on Robot and Human Interactive Communication (ROMAN 2002). 65-70 (2002)
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[Publications] Muto, T., Miyake, Y.: "Analysis of Two kind of Control Dynamics on Cooperative Walk"Proc.of SICE Annual Conference 2002 (SICE 2002). 2080-2083 (2002)
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[Publications] Shimogama, M., Miyake, Y.: "A Machine embedded in Sensory-Motor Coupling of Human"Proc.of SICE Annual Conference 2002 (SICE 2002). 2084-2087 (2002)
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[Publications] 三宅美博: "共創システム"情報処理学会・知能と複雑系研究会資料. 130-8. 43-48 (2002)