2004 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な海底起伏を考慮した非線形不規則波を受ける超大型浮体の限界挙動解析
Project/Area Number |
14350243
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宇都宮 智昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10211773)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 英一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026174)
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
|
Keywords | 超大型浮体 / 波浪応答解析 / シミュレーション / 流力-弾性解析 / 動的応答解析 / メガフロート / 海底起伏 / 多重極展開 |
Research Abstract |
本研究においては,浅水域かつ複雑な海底地形を有する海域に超大型の弾性浮体構造物が設置され,これに不規則な非線形波が作用する場合における応答を精度よく予測できる数値シミュレーション手法を開発することを目的とした. 本年度は、波浪の非線形性を考慮した周波数領域での計算プログラム開発にむけての開発研究をおこなった。具体的には、前年度において開発された異なる2方向から入射する2周波数を有する弱非線形波が入射する問題における、任意形状浮体に作用する回折波力の計算プログラムを完成させるとともに、さらに、浮体まわりの非線形波浪場の解析へと拡張をおこなった。これによって、実際の海洋波浪場における多方向不規則波中での浮体構造物の応答予測が可能となる。また、波浪場を同時に解析することで、たとえばプラットフォーム下面に対する波浪打上げ評価等にも用い得る。また本プログラムを、弾性を考慮したポンツーン浮体の長周期動揺問題に適用することもおこない、長周期変動漂流力の予測において、定常漂流力を用いる近似計算手法(Newman近似)では必ずしも実態を反映せず、2次回折波力を正しく考慮した計算を要することを数値計算により確認した。今年度は、この結果を実験的にも確認することを目的に、実海域における浮体構造物の動揺測定を(独)海上技術安全研究所と共同で実施、台風通過時の大きな応答値を記録でき、今後、解析値との比較・検証をおこなっていく。 また、これと並行して、超大規模計算となる超大型浮体の非線形波浪場内での応答計算を実現するための多重極展開を利用した高速化手法についての各種開発を実施した。特に、連立一次方程式の反復解法における収束特性の改善が、計算時間短縮におけるキーポイントとなるため、一連のソルバーの改良に関する研究を実施し、当初の計算速度に比べ1/5〜1/10の短縮に成功した。
|
Research Products
(6 results)