2003 Fiscal Year Annual Research Report
複合応力下の鉄筋コンクリート及び鋼部材の動的履歴特性と非線形動的解析に関する研究
Project/Area Number |
14350245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 久哲 九州大学, 工学研究院, 教授 (70108653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢葺 亘 九州大学, 工学研究院, 助手 (70304748)
松田 泰治 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50264065)
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Keywords | 鉄筋コンクリート部材 / ねじりを含む複合応力状態 / 動的履歴特性 / まげとねじりの相関曲線 |
Research Abstract |
本年度の研究は,軸力,曲げ及びねじりの複合荷重を同時に受けるRC部材の耐震性能を把握し,その履歴復元力特性や相関関係を得ることを目的として行った.供試体は,一般的なRC橋脚をモデルとして,400×400×1600(mm)の模型供試体を制作した.軸力は4Mpa(配合強度の10%)で一定とし,帯鉄筋間隔を30mmと60mm(それぞれ帯鉄筋比1.25%,0.62%)の2通りとした.さらに,曲げモーメントとねじりモーメントの載荷比率をかえることにより,ねじり卓越型,曲げ卓越型,中間型の3パターンの実験を行った. 本研究の結果,以下の諸点が明らかとなった。 (1)複合荷重時の履歴復元力特性は,卓越する荷重側では純ねじり,純曲げ状態と比較してあまり影響が見られないが,卓越しない荷重側では,荷重の増加が小さくなるとともに剛性の低下が見られた. (2)エネルギー吸収能力,減衰定数などに複合応力の影響が大きく生じることが分かった.例えば,塑性変形によるエネルギーの吸収は,純ねじり・ねじり卓越型では,部材中央断面近傍で行われ、純曲げ・曲げ卓越型では,部材基部で行われた.さらに,エネルギー吸収量は,ねじり卓越型では帯鉄筋間隔に拘わらず、複合時の方が大きくなるが、曲げ卓越型では帯鉄筋間隔が粗であると、複合時の方が小さくなった. (3)帯鉄筋間隔が与える影響は,曲げ荷重卓越型ではほとんどなく,ねじり荷重卓越型では骨格曲線および曲げ荷重のループ形状に大きく影響を及ぼす結果となった. (4)従来の曲げとねじりの相関曲線は、ひび割れ時、あるいは初期軸力が大きくない場合には降伏時まで適合するが、軸力が大きい場合には降伏時、あるいは最大耐力時には適合しないようであり,今後の検討課題である.
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Research Products
(1 results)