2004 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギー吸収装置を持つ鉄筋コンクリート建物の応答変形推定と必要設置量算定法
Project/Area Number |
14350292
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 範夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50250725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 匡樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30262413)
星 道夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90005504)
堀 則男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60292249)
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Keywords | エネルギー吸収装置 / 粘弾性ダンパー / 損傷制御 / 振動台実験 / 鉄筋コンクリート建物 / 性能規定型耐震設計 / 応答椎定 / エネルギー応答 |
Research Abstract |
1.中型試験体による振動実験 鉄骨造中型フレームの中にエネルギー吸収装置として粘弾性体を用いたダンバーを設置した試験体を作成し、振動台実験を行った。今回は特に、ダンバーを支持する部材の剛性もパラメータとしうるように支持装置を工夫するとともに、大地震時には変形を制御するための変形制御装置であるリミツターを併設した場合も合わせて検討した。特性把握実験として静的加力実験、自由振動実験、ランダム波加力実験を行った。さらに、海洋型の例として1978年宮城県沖地震東北大波を、直下型の例として1995年兵庫県南部地震神戸海洋気象台波を用いて地震波加振実験を実施した。 2.振動実験結果の整理、検討 ランダム波加振実験により,粘弾性体の動的特性を明らかにするとともに、Maxwell流体モデルとKelvin固体モデルを並列した4要素モデルで、粘弾性体の振動数依存性を表現できることを確認した。地震波加振実験では、粘弾性ダンバーを支持する部材の剛性によってダンバーの効果が変化すること、大地震時にリミツターを併設した場合には応答変形が低減されるものの加速度応答が増加することが分かった。これらの傾向は、新たに開発した、支持部材剛性とリミツター特性を考慮した解析モデルにより良くシミュレーションできることが分かった。 3.鉄筋コンクリート建物における応答推定法適用性の検討 鉄筋コンクリート建物に粘弾性ダンバーを設置した場合の応答特性については、鉄筋コンクリートの復元力持性をモデル化した時刻歴応答解析により検討を行った。さらに、エネルギー応答を検討し、瞬間エネルギーの釣り合いを考えることにより、時刻歴応答を行わないで弾塑性応答を推定出来ることを明らかにした。ここでは、粘弾性ダンバーを取り付ける支持部材の剛性による影響と、粘弾性体の振動数依存性を考慮していることに特徴がある。 4.得られた成果を国内外で発表した。
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Research Products
(6 results)