2002 Fiscal Year Annual Research Report
RC部材の塑性域での耐力劣化と変形性能の3次元FEM解析による定量的評価
Project/Area Number |
14350293
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野口 博 千葉大学, 工学部, 教授 (20107535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏崎 隆志 千葉大学, 工学部, 教授 (40251178)
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Keywords | 正負繰り返し載荷 / FEM解析 / 鉄筋コンクリート / 鉄筋 / コンクリート / 解析モデル / 耐力劣化 / せん断破壊 |
Research Abstract |
1)大変形での正負繰り返し載荷時のFEM解析の精度向上: 鉄筋コンクリート(RC)の材料である鉄筋とコンクリートの解析モデルの見直しを行った. (1)鉄筋では、引っ張りは、降伏後、ひずみ硬化により安定化、曲げ型の履歴ループ形状に与える影響の大きいバウシンガー硬化の考慮、構造的問題としての大変形繰り返し載荷での圧縮鉄筋の座屈の不安定化を考慮したモデルとする。 (2)コンクリートでは、ある程度以上の応力では、繰り返しでの圧縮劣化(耐力、剛性の低下や変形の増大)が顕著となることを考慮。これは、横補強筋の間隔やディテールの違いによる拘束効果の影響を受ける。せん断破壊の進展やせん断耐力評価に重要なせん断ひび割れコンクリートの圧縮劣化に及ぼす繰り返し載荷の影響の考慮。構造的問題であるかぶりの早期劣化と剥離挙動の考慮。また、正負の荷重によるX型のせん断ひび割れの開閉やせん断ずれによる骨材劣化等によるひび割れ間のコンクリートブロックの劣化や抵抗喪失挙動の考慮が必要。従来は、主に包絡線のモデル化であったRCの構成則に、定ひずみや定応力下、さらには地震入力のように大小入り乱れた不規則な荷重履歴に対応できる包絡線の内部の履歴モデルを2次元FEM解析プログラムに組み込む開発を行った。 2)部材の耐力劣化発生のメカニズムの解明: 耐力劣化には、水平力保持能力の低下および軸力保持能力の低下の2つがある。この区別を明瞭にすべきである。繰り返し載荷による水平力の耐力劣化度合いを定量化する際には、曲げ破壊とせん断破壊とで区別して考える。せん断破壊時の水平耐力劣化を定量化しても、解析などで使うことはあまりないので、曲げ系および曲げせん断系、曲げから大変形でせん断破壊にシフトする場合の水平耐力劣化を主な検討対象とした。
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[Publications] 野口 博, 柏崎 隆志, ZHANG Dachang: "Dynamic FEM analysis of Reinforced Concrete Shear Walls"コンクリート工学年次論文集. 24-2. 73-78 (2002)
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[Publications] 野口 博, 柏崎隆志, 荒生和宏: "RC造偏心柱・梁接合部の3次元FEM解析"コンクリート工学年次論文集. 24-2. 373-378 (2002)
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[Publications] 野口 博, 柏崎隆志, 張 大長: "新補強法によるRC柱・梁接合部のせん断性能の3次元FEM解析"コンクリート工学年次論文集. 24-2. 397-402 (2002)
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[Publications] 野口 博, 柏崎 隆志, 余 勇: "RC造骨組内梁主筋の付着性状が骨組の挙動に与える影響に関する3次元FEM解析"コンクリート工学年次論文集. 24-2. 463-468 (2002)
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[Publications] NOGUCHI Hiroshi, KASHIWAZAKI Takashi, ZHANG Dachang: "Two-dimensional Finite Element Analysis on Shear Performance of RC Interior Beam-column Joints Reinforced by A New Reinforcing Method"Finite Elements in Civil Engineering Applications, Proc.of the Third DIANA World Conf., Tokyo, Japan. 455-465 (2002)
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[Publications] KASHIWAZAKI Takashi, NOGUCHI Hiroshi: "Three-dimensional FEM Analysis of RC Eccentric Beam-column Joints Subjected to Seismic Forces"Concrete Structures in the 21^<st> Century, Proc.of the First FIB Congress 2002,Osaka, Japan. Vol.8. 155-160 (2002)