2002 Fiscal Year Annual Research Report
曲げ降状後のせん断・付着破壊を孝慮した鉄筋コンクリート部材の復元力モデル
Project/Area Number |
14350301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市之瀬 敏勝 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10151474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 恒 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (70324473)
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Keywords | せん断破壊 / 繰り返し / ひび割れ / 鉄筋コンクリート / 軸力 / 載荷履歴 / 圧縮破壊 / 剛性 |
Research Abstract |
繰り返し塑性変形に伴うせん断破壊の実験を行った。付着破壊が生じないように,片持ち梁形式で加力した。また,加力中に蛍光材入りの低粘性エポキシ樹脂を注入し,硬化後に除荷して試験体を切断して,内部ひび割れ状態を観察した。 試験体は全部で12体作成した。第一の実験パラメータを軸力の大きさとし,軸力比を0,0.15,0.3の3段階とした。低レベルの軸力が存在すると鉄筋コンクリート部材のせん断強度が上昇した。また,曲げ降伏後のせん断破壊に関しても同様の効果が見られた。ただし,変形能力への影響は定量的に不明確であった。筆者は,その最大の要因が軸方向ひずみにあると考えている。軸力がゼロの場合は,繰り返し塑性変形によって材軸方向の伸びひずみが蓄積し,コンクリートの斜め圧縮強度と剛性に悪影響を与えるのに対し,低レベルの軸力が存在するとこのような蓄積が抑制されるからである。ただし,高レベルの軸力は斜め圧縮破壊を増進した。今回の実験を通じて,この効果が定量的に把握できた。 第二の実験パラメータは載荷履歴とし,3種類とした。曲げ降伏後の塑性変形によってひずみのモール円が拡大し剛性低下とせん断破壊につながるわけであるが,来年度以降,モール円拡大が載荷履歴のどこで生じるのかを特定できれば,任意の載荷履歴に対する強度・剛性低下モデルを構築できるはずである。
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Research Products
(1 results)