2003 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域の在宅高齢者の自立生活を支援するユニバーサルデザイン住宅の計画・開発研究
Project/Area Number |
14350318
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野口 孝博 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10113599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 満 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10091513)
西村 伸也 新潟大学, 工学部, 教授 (50180641)
月舘 敏栄 八戸工業大学, 工学部, 教授 (50124897)
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Keywords | 積雪地域 / 高齢者 / 自立生活支援 / ユニバーサルデザイン / 住宅計画 / 高床住宅 / 低床型住宅 |
Research Abstract |
北海道、青森、新潟3地域において、高床住宅の実態調査および北海道においては低床型住宅の事例調査を実施した。また途中の研究成果のレビューをうけるためとユニバーサルデザインの先進地における実態を把握するためにヘルシンキ及びパリにおいて研究討論及び実態調査を実施した。 北海道では、北海道大学が中心となり、札幌市内における高床住宅の普及実態、デザイン特性、空間構成及び居住者の意向を把握するためのアンケート調査と観察調査を実施した。その結果地域によっては高床住宅の普及率が概して高いこと、住宅形態についてはいろいろな改善傾向が見られること、特に近年のものは外部階段を屋内化して冬期の出入りを安全にする工夫が見られること、居住者の意識としては、高床住宅を積極的に評価している面が見られること(環境面、土地利用面、住宅の開放性の面など)など、新知見が得られた。また低床型住宅については、比較的居住者の評判がよいこと、特に出入りのしやすさ、庭などの外部空間との連続性、それに関連して居住空間の開放性などの面で評価を得ていることが明らかになっている。 青森及び新潟地方においては、北海道とは事情が大きく異なる。両地域とも、高床住宅の床の高さが北海道の場合よりも比較的高いこと、その分大きな外部階段がそのまま外部に突出して付いているケースが多いなど、高床住宅の不利な面を改善する傾向があまり見られないことなどが特徴である。そうした中で、庭などの地面を盛り上げたり、玄関を半階あげたところに設置するなどの、床が高いことのマイナスを中間階を設けることで少しでも解決しようとしているのは評価できる。 ヘルシンキの高齢者・障害者研究センターおよびパリの国立科学研究センターにおいては、高齢者・障害者のことを考えた住宅のユニバーサルデザインについて有意義な研究討論を行うことができたと同時に、貴重な資料を入手することができた。次年度の研究に反映させる予定である。
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