高齢者の地域継続居住のための包括的支援システムの構築に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14350327
• Research Institution: Tokyo Metropolitan University
• Principal Investigator: 上野 淳 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (70117696)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉川 徹 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (90211656) ; 秋山 哲男 東京都立大学, 都市科学研究科, 教授 (10094252) ; 星 旦二 東京都立大学, 都市科学研究科, 教授 (00190190) ; 竹宮 健司 東京都立大学, 都市科学研究科, 助教授 (70295476)
• Keywords: 高齢者 / 地域継続居住 / 支援システム / 在宅高齢者 / 地縁 / サポート環境 / 要介護高齢者 / デイサービスセンター

Research Abstract

本研究は,地域公共施設計画(高齢者施設計画),地域保健福祉計画,都市解析,都市交通計画の専門家が協同し,高齢者が安心して地域社会に住み続けることができる(地域継続居住)ための総合的・包括的な支援システムを,様々なコミュニティーの特性に対応して,提案・構築することを最終的な目標とするものである.
研究代表者のもと計5名の研究者が緊密な連携のもとに遂行した今年度の研究の主な成果を要約すると以下の通りである.
1)在宅高齢者2.2万人を対象に,生きがいや生存を規定する要因として,主観的健康感や社会ネットワークを追跡調査によって明確にし,同時に,それらの総合的な構造を共分散構造分析によって明確にした.
2)高齢者の地域継続居住ニーズに応じた柔軟なケアプラグラムを提供している宅老所を対象に,昨年度から引き続き継続的な利用実態調査を行った.また,本年度は生活空間構成と利用者の生活様態に関する詳細な実地調査を行った.
3)多摩ニュータウン内の集合住宅居住者の高齢化の実態を詳細に捉え,住棟環境の特性と高齢者の身体状況・生活行動との関連を明らかにするための調査分析を行った.
4)多摩市におけるバスのモビリティのミニマム水準の基礎的研究を行った.その結果,経営的側面からのミニマム水準を明らかにすることができた.人については研究の継続中である.
5)入居開始以来継続的に入居者の生活実態を追跡調査している特別養護老人ホームにおいて,開所以降5年間の入退所,居室変更,入所者のADLの変化等を全数把握する調査,データ整理行い,終の棲家としての特別養護老人ホームの持続的安定的な居住を保障するための運営・計画条件を明らかにした.
6)高齢者住宅としてのシルバーピア,終身介護型有料老人ホームの居住者の生活実態,地域社会への生活の拡がりの実態を捉え,高齢者住宅の計画要件を整理した.

Research Products

• [Publications] 芦沢由紀, 上野淳, 竹宮健司: "個室型特別養護老人ホームにおける入居者の生活様態とその変容に関する考察"日本建築学会計画系論文集. No.568(2003.06). 25-32 (2003)
• [Publications] 伊佐地大輔, 上野淳: "シルバーピア居住者の生活展開と生活領域の拡がりに関する研究"日本建築学会計画系論文集. No.569(2003.07). 39-45 (2003)
• [Publications] 加藤田歌, 登張絵夢, 松本真澄, 竹宮健司, 上野淳: "多摩ニュータウン・集合住宅における単身高齢者の居住様態"日本建築学会大会学術講演梗概集. E-2(2003.09). 139-140 (2003)
• [Publications] 長谷川明弘, 藤原佳典, 星 旦二, 新開省二: "高齢者における「生きがい」の地域差"日本老年医学会雑誌. Vol.40. 390-396 (2003)
• [Publications] 高橋俊彦, 星 旦二, 櫻井尚子, 他: "都市に居住する在宅高齢者の主観的健康感の実態とその構造"総合都市研究. Vol.80. 97-114 (2003)
• [Publications] 秋山哲男: "外出活性に影響を与える要因と生活交通の需要構造に関する基礎的研究"第23回交通工学研究発表会論文報告集. Vol.23(2003.10). 225-228 (2003)