2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350328
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
野村 みどり 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (80180785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 勝樹 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (20230659)
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Keywords | 病弱養護学校 / 院内学級 / 子ども病院 / 学籍 / 特殊学級 / ICT / プレイセラピー / 心身症 |
Research Abstract |
英国の行政当局および先進校において実態調査を行った。厚生省(DH)および教育雇用訓練省(DfES)は、肉体的、精神的病気のために通常教育が受けられない子ども達に、できるだけ病院に滞在しないで済むような、最適な教育プログラムを作ることが求めており。院内学級に転入する場合も、学籍は元の学校に維持されている。入院中から児童・生徒が在籍する通常学級と連携をとり、IDTの導入など、円滑に復帰するためのさまざまな取り組みが行われていた。 スウェーデンでは、学校庁および先進校において実態調査を行った。小児科の設置された各病院には、幼稚園や学童保育と同様の活動を提供するプレイセラピー科が設けられ、その一角に院内学級教室があり、プレイセラピストと病院学校教師の連携によって効果的支援が進められていた。デイケアを受ける児童生徒も院内学級の授業に参加したり、入院する児童生徒のクラスメートが交替で入院する児童生徒と一緒に院内学級で授業を受けるなど、院内学級教育のオープン化は進み、学籍移動はみられない。 我が国における入院する児童生徒の教育は、養護学校または特殊学級において行われている。ある県では、医師の許可の下、1ヶ月以上入院した者から申請に応じて実施しているが、訪問教育や特殊学級については、年度により対象者数が変わり教員確保が難しいこと、養護学校に就学するためには学籍を移す必要があり、このことに保護者の抵抗感があることなどが今後の課題としてある。また、近年は難病治療に対する医学的進歩から長期入院者が減少傾向にある一方、現在の養護学校は、心身症などに起因する「ひきこもり」「不登校」などの児童生徒の受け入れがが増えてきており、これらに対する配慮が新たに必要とされている実態を把握した。
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