2002 Fiscal Year Annual Research Report
反応分離型水素製造要素としての新規水素透過合金膜の合金設計と組織制御
Project/Area Number |
14350363
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 清 北見工業大学, 工学部, 教授 (70124542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 和宏 北見工業大学, 工学部, 助手 (10312448)
松田 剛 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10199804)
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Keywords | プロチウム / 水素透過膜 / 固溶度 / 拡散係数 / NiTi合金 / 機械的性質 / 水素化物 / 水素固溶体 |
Research Abstract |
1)広い温度範囲で水素透過実験が可能な装置を設計・製作し、様々な温度で純Pdの水素透過試験を行い、信頼できるデータが得られることを確認した。2)Ni-Ti-Zr系において水素透過試験を行った。Ni_<50>Ti_<50-x>Zr_x、合金は粉砕できないほどの良好な機械的性質を示したが、Ni濃度が高いため水素透過係数は低い。Ni濃度を低下させたNi_<50-x>Ti_<50>Zr_x合金は水素を容易に吸蔵するが、C14ラーベス相が生成するため水素吸蔵前でも非常に脆く、水素透過試験が不可能であった。以上より、Ni-Ti-Zr系では、良好な水素透過係数と機械的性質を満足する合金組成を見出すことができなかった。3)NiTiにNbを添加すると水素透過係数が増加するが、割れが生じやすくなる傾向が見られた。bcc-NbTiやNiTi_2は水素を多量に吸蔵し、水素脆化が著しい。しかし、複相合金の中には、割れが生じにくいものが見られた。PCT測定により水素圧と水素固容量の関係を調べると、これらの相の複相合金では水素化物が形成せず、水素固溶領域で水素を透過することが分かった。特に、Ni_<30>Ti_<30>Nb_<40>合金はNiTi+bcc-NbTiの2相を形成するが、673Kで純Pdを超える水素透過係数(2.0×10^<-8>molH_2m^<-1>s^<-1>pa^<-1/2>)を示した。以上、金属間化合物をベースとする新規の水素透過合金の開発に向け、大きな前進が見られた。
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