Research Abstract |
市販のマグネシウム合金として一般的なAZ31およびAZ91E合金を用いて圧延と熱処理による組織微細化を図った.入手したAZ31合金は圧延材であり,AZ91E合金はダイカスト材であった.AZ31合金については,Mnを0.4mass%添加したものと,0.003%のものを準備した.673K,36ksの容体化処理の後,423〜773Kで圧延を行った.その際,1パスの圧下量は5%とし,20〜80%の圧延を行った.その後,473-673Xで再結晶処理を施した. 受け入れ材の粒径は,低Mn材ではおよそ20〜50μm,高Mn材ではおよそ10〜30μmであった.溶体化処理により,それぞれ約30〜100,20〜80μm程度となった. 423〜773Kで40%圧延を施すと,423Kでは不均一に変形帯が形成されるが,温度上昇とともに変形帯密度が徐々に増加し,523Kでは均一に変形帯が形成された.573Kでは,変形帯が窺察されず,5〜10μm程度の粒径の結晶粒が観察された.773Kでは結晶粒径がおよそ10〜40μmとなり,動的再結晶が生じた. 573Kおよび773Kで80%圧延後、473,573,673Kで3.6ksの焼きなましを施した.その結果,473K焼きなましにおいては,低Mn材および高Mn材とも,約5〜8μmの粒径となった.一方,673K焼きなましにおいては,Mn添加量の影響が見られ,低Mn材では40〜50μmの粒径となったが,高Mn材では,粒成長が少なく,およそ7〜9μmであった. Mg-Al-Zn系を基本とするAZ系合金では,Mg-Al系の金属間化合物が析出するが,Mnを添加した合金では,Al-Mn系の晶出物あるいは析出物が形成され,Mg-Al系と比較して,高温まで安定であるため,上記のような差が生じたものと考えられる. AZ91E合金についても同様な手法により結晶粒が微細化することが明らかとなりつつある.
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