2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属―金属摺動人工関節を目指したコバルトクロム合金の耐摩耗性・安全性向上
Project/Area Number |
14350375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
塙 隆夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料研究センター, 副センター長 (90142736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣本 祥子 物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・研究員 (00343880)
山本 玲子 物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・主任研究員 (20343882)
丸山 典夫 物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・主幹研究員 (00343856)
黒田 大介 物質・材料研究機構, 生体材料研究センター・研究員 (70343879)
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Keywords | コバルトクロム合金 / 耐食性 / 表面組成 / 耐摩耗性 / 窒素イオン注入 |
Research Abstract |
Co-Cr-Mo合金に、N^<2+>をエネルギー150keV、電流密度1.0-1.5μAcm^<-2>で、10^<15>、10^<16>、および10^<17>ions cm^<-2>注入した。注入したまま、オートクレーブ滅菌、Hanks溶液(pH7.4:310K)に7d浸漬の各試料に対してXPS分析を行った。未注入合金および注入合金を、4%O_2/N_2通気により生体内と同じ溶存酸素濃度に調節したHanks溶液中に30min浸漬した後、自然浸漬電位(E_<open>)から0.02Vmin^<-1>の電位掃引速度で1.5V(vs.SCE)まで分極した。ASTM F-732-82に対応したピン・オン・フラット型往復動摩擦摩耗試験機により、摺動距離25mm、周期1Hzの条件で大気中およびPBS(-)(310K)中で摩耗試験を行った。摩耗試験前後に、ピンおよびディスクの重量測定、表面荒さ、形状解析を行った。その結果、表面N濃度は10^<16>ions cm^<-2>注入合金で最も高かった。未注入、10^<15>および10^<16>ions cm^<-2>注入合金の分極曲線はアノード活性領域を示さず、自己不動態化したことを示した。一方、10^<17>ions cm^<-2>注入合金では0V付近に小さいアノード活性領域を示し、10^<16>ions cm^<-2>より注入量が大きいと活性溶解を起こす。ハンクス溶液への浸漬では、リン酸カルシウムが表面に生成した。大気中においては、N注入合金の重量減少が非注入合金よりも小さかった。また、表面荒さ測定および形状解析によっても非注入合金の摩耗量が多いことが確認でき、N注入の効果が明らかであった。しかし、PBS(-)中では両合金の摩耗量に差はなかった。体液中での耐摩耗性向上のためには、10^<17>ions cm^<-2>の注入量は過剰であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Hiromoto, K.Noda, T.Hanawa: "Electrochemical properties of an interface between titanium and fibroblasts L929"Electrochimca Acta. 48巻. 387-396 (2002)
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[Publications] N.Maruyama, D.Kuroda, T.Hanawa: "Fretting Fatigue of Wear Resistant Co-Cr-Mo Alloy"Proceedings of Fatigue 2002. 2161-2166 (2002)
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[Publications] T.Hanawa: "Evaluation techniques of metallic biomaterials in vitro,"Science and Technolgy of Advanced Materials. 3巻4号. 289-295 (2002)
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[Publications] 塙 隆夫: "骨・関節の機能を代替する金属材料"セラミックス. 38巻1号. 16-20 (2002)
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[Publications] T.Hanawa, S.Hiromoto, N.Maruyama, K.Kano, A.Chiuba, Y.Suzuki, M.Iwaki, K.Asami: "Surface structure and wear characterization of nitrogen-ion-implanted Co-Cr-Mo Alloy"Abstract of 13^<th> International Conference on Ion Beam Modification of Materials, International Conference Center Kobe, Kobe. 105-105 (2002)