2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350377
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40111257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
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Keywords | 超臨界水酸化 / 腐食 / 圧力平衡型外部照合電極 / 腐食電位 / 分極曲線 / 銀-塩化銀電極 / 水素電極 / 亜臨界水 |
Research Abstract |
超臨界水酸化処理環境における金属材料の腐食機構を解明し,有効な防食対策を確立するために,この環境で使用可能な照合電極の開発が必要とされている。本研究では,温度600℃,圧力80MPaまでの超臨界水中で使用できる圧力平衡型照合電極システムを開発,実用化することを目的として一連の検討を行い,以下のような成果を得た。 1.圧力平衡型外部照合電極を用いた電気化学的分極曲線の測定 昨年度までの研究によって開発された圧力平衡型外部照合電極を用いて,温度573〜773K,圧力30〜50MPaの亜臨界および超臨界水中における18Cr-8Niステンレス鋼のアノード分極曲線を測定した。電解液としては1mM HCl,100mM KCl,1mM Na_2SO_4,50mM Na_2SO_4,および1mM NaOH溶液を用いた。50mM Na_2SO_4溶液中では活性態,不働態,過不働態の各領域が見られ,これらの領域は温度の上昇と共に低電位側にシフトした。1mM HCl溶液中の亜臨界温度では孔食による電流の急上昇が現れたが,超臨界温度になると孔食より全面腐食(酸化)が支配的になった。また,673Kの各種溶液中の分極曲線より,この温度ではpHによる変化が明瞭に見られることなどが分かった。 2.圧力平衡型外部照合電極を用いた腐食電位のモニタリング 温度673K,圧力40MPaの超臨界水中において,18Cr-8Niステンレス鋼の腐食電位の経時変化を長期間に渡って測定した。試験溶液には上記1の実験と同じ溶液を用い,組成とpH,および溶存酸素濃度による腐食電位の変化を追跡した。その結果,本研究で開発された圧力平衡型外部照合電極は超臨界状態の腐食電位を長時間測定できることが判明した。 以上の結果を総合して,超臨界水用圧力平衡型外部照合電極の実用化するために必要な電位校正データをデータベース化すると共に,使用条件などを明らかにした。
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