2002 Fiscal Year Annual Research Report
二液相界面電析法による導電性薄膜の製造法の確立および膜の特異性の解明
Project/Area Number |
14350379
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
金児 紘征 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (20006688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 英司 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (40302260)
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Keywords | 界面振動 / 二液相界面電析法 / 原子間力顕微鏡 / 銅薄膜 / 亜鉛薄膜 / 電流振動 / 単分子膜 / ステアリン酸 |
Research Abstract |
本年度は,二液相界面電析法による導電性薄膜の製造法の確立と膜の特異性評価について2つの研究課題を遂行した.一つは薄膜製造時に問題となる界面振動について,もう一つは薄膜表面形状の評価である. 二液相界面電析法では電解質溶液とそれとは混じらない有機液体の液液界面を反応場として電析するが,このとき液液界面が振動し,薄膜の成長速度,形態に影響をおよぼすという問題が生じた.そこで,二液相界面電析法で亜鉛を作製するときに生じる界面振動の発生条件を調査した.その結果,電位の印加によって液液界面が上下に振動し,そのことで電流振動が生じることがわかった.この界面振動は亜鉛イオン濃度が2.5molL^<-1>以上になると発生し,さらに電極電位が卑になればなるほど振動周期が短くなることがわかった.界面振動の条件を明らかにできたことで,界面振動を起こさず,効率よい薄膜作製条件を決定することができた. また,二液相界面電析法により作製した薄膜の特異性を評価するために,銅薄膜を作製し,その表面をAFM(原子間力顕微鏡)で評価した.有機液体としてヘプタンを用いた場合,薄膜表面は20〜50nmの微粒子からなっていることが明らかになった.また,ヘプタンのかわりに配向性単分子膜であるステアリン酸を用いて,単分子膜と電解質水溶液界面で薄膜の作製を行った場合,ヘプタンで作製した場合に比べて薄膜の凹凸が小さく,より平滑な膜を作製することができた.このことは,液液界面の組合せが変化すると膜構造にも変化が現れることを示している. これらの結果から,薄膜製造法と膜の特異性評価について重要な知見を得ることができた.
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