2002 Fiscal Year Annual Research Report
未燃炭素系粒子からのダイオキシン類生成速度の定量化と生成抑制
Project/Area Number |
14350395
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
葛西 栄輝 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50134044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70312650)
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Keywords | ダイオキシン類 / 未燃炭素粒子 / 有機塩素化合物 / 金属塩素化合物 / 炭素酸化反応 / 生成速度 / 生成抑制 |
Research Abstract |
炭素粒子中金属塩素化合物の賦存状態とダイオキシン類生成速度の関係を実験的に把握するため、金属塩素化合物を複合化した種々の炭素粒子を使用して、ダイオキシン類および関連有機塩素化合物の生成速度を測定した。 酸洗および有機溶媒洗浄し、十分に可溶不純物を除去したグラファイト粉末試料を基本試料とした。これに、各種の塩素化合物と金属化合物を、i)混合、ii)混合粉砕、iii)混合後熱処理の各方法により予備処理し、複合化形態の異なる炭素系試料を作成し、これをde novo陶合成実験に供した。上記で調製した試料をガス流通型反応装置に装入し、ダイオキシン類および有機塩素化合物についてガスに随伴し排出される量、固体試料に残留する量をそれぞれ求めた。実験では、反応温度、保持時間、流通ガス中酸素濃度、塩化水素濃度をパラメータとして変化させた。ダイオキシン類の定量は依頼分析、有機塩素の定量は既存装置により、それぞれ行った。また、de novo合成実験前後および実高温プロセス排ガス中の未燃炭素粒子について、塩素化合物の炭素への複合形態について調査した。 主な研究成果を以下にまとめる:1)ダイオキシン類を含む有機塩素化合物生成の塩素源としての金属塩素化合物の影響は、飽和蒸気圧および熱力学的な安定性に依存する。すなわち、銅>>鉛,鉄>カルシウム>カリウムの傾向を確認した。2)低温炭素酸化反応に対する各金属塩素化合物の触媒能は、反応場における酸素ポテンシァル付近での酸化物-塩化物間の変換反応と関連し、本実験条件では塩化銅の影響がもっとも大きい。3)ダイオキシン類の生成速度は炭素酸化反応速度に見掛け上比例し、比例関係からの変位は金属塩素化合物の塩素供給能差により説明可能である。4)その他、実プロセス排ガスダストにおける炭素、塩素、金属の複合状態の解明、硫黄や活性窒素供給物質によるダイオキシン類生成抑制効果に対する定量評価等を行った。
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