2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350403
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中江 秀雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40164123)
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Keywords | 凝固組織 / 対流 / 無重力 / 固液界面 / 重力偏析 |
Research Abstract |
凝固組織に対する重力の影響に関しては、一般には落下塔(〜10秒)や航空機による自由落下飛行(〜60秒)、弾道ロケット(〜100秒)を用いた実験が行われてきた。しかしこれらの手法では時間的な制限が多く、実用的な実験を行うことはできない。これに対して宇宙空間を利用するスペースシャトルやスペースステーションでは長時間の実験は可能であるが、これに要する費用は莫大になる。 この点に関して本提案者は地上で凝固方向を重力方向と、この逆方向で行わせ得る一方向帯溶融凝固法を提案してきた。これにより凝固組織に対する重力の影響を明らかにする実験手法を提案し、これまでは、Al-Si系、Ag-Si系の共晶系や、Al-In系、Al-Pb系やCu-Pb系の偏晶系を中心に研究を行ってきた。 今回はNi系の超合金でフレッケルと呼ばれる欠陥が重力偏析に原因するか否かの検討と、Cu-Pb系でのAlの影響に関して詳細な検討を行った。しかし、新しく作成した光集炉では溶解温度の問題で前者には適用ができず、改良中である。後者は凝固組織を決めるものは界面エネルギーか重力かの問題に焦点を当てて検討を行ってきた。これには2結晶(バイクリスタル)法を用いて固液界面エネルギーの測定も行ってきた。しかし、バイクリスタルの再結晶化の問題等がおこり、これらの対策に時間を要している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 吉田 誠, 中江秀雄ほか: "縦型帯溶融結晶成長装置の作成と共晶・偏晶合金の協調成長に及ぼす対流、晶出相間の密度差および凝固方向の影響"まてりあ. 41・2. 107-113 (2002)
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[Publications] 五十嵐芳夫, 中江秀雄: "球状黒鉛鋳鉄の凝固 : 黒鉛の生成と成長"鋳造工学. 74・3. 198-204 (2002)
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[Publications] H.Nakae, M.Ishii, T.Takeda: "Influence of Ti and Si on D-type Graphite Formation"Proc. SPCI 7. No.7. 1-7 (2002)
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[Publications] S.Wu, H.Nakae, et al.: "Effect of modification and ceramic particle on solidification behavior of aluminum-matrix composites"J. Mater. Sci.. 37. 1855-1860 (2002)
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[Publications] H.Nakae, Y.Igarashi: "Influence of S on Heterogeneous Nuc1eus of Spheroidal Graphite"Mater. Trans.. 43・11. 2826-2831 (2002)
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[Publications] 中江秀雄, 楊 錦成: "鋳造法による発泡金属(超軽量多孔質金属)の製造法"鋳造工学. 74・12. 782-788 (2002)
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[Publications] 中江秀雄 共著: "鋳造工学便覧"丸善株式会社. 717(1/6,254/2631) (2002)