2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350403
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中江 秀雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40164123)
|
Keywords | 凝固組織 / 対流 / 無重力 / 固液界面 / 重力偏析 |
Research Abstract |
Ni基超合金にはフレッケルと呼ばれる、単結晶内に等軸晶が混在する欠陥があり、この生成原因の一つが重力偏析であるとの有力な説がある。そこで、一方向凝固法により凝固方向を上下に変え、凝固組織に対する重力(凝固方向)の影響を調査した。また、凝固相の一方が液相であるCu-Pb系偏晶合金を用いて凝固組織に対する重力の影響に関して検討を行った。 前者に対しては従来から当研究室が所有する光集炉では溶解温度の問題で実験ができなかった。そこで、新しく特別注文のダブルスパイラルSiCヒータを作成し、20mm幅で溶解できる特殊な一方向凝固炉を作成し、実験を行った。その結果、上向きの凝固ではフレッケル欠陥が生成し、下向きの凝固ではこれが生成しないことを確認した。これらの成果は日本鋳造工学会や日本金属学会で講演した。 後者は、凝固組織を決めるものは液相L_1及びL_2相と固相との界面エネルギーか、或いは重力かの問題に焦点を当てて検討を行ってきた。これには2結晶(バイクリスタル)法を用いて2面角法により固液界面エネルギーの測定も行ってきた。昨年度のバイクリスタルの再結晶化の問題等は固相の組成を調整することで避けることができ、固液界面エネルギーの測定ができる段階に到達した。 このように、極めて難しい実験ではあるが、これまでに実験装置・技術上の問題点は解決できた。研究の進展はこれら問題点の解決に多大な時間を要したことで、少し遅れているが、本年度はデータの蓄積と結果の解析に邁進する予定である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 中江秀雄, 山浦秀樹ほか: "自発的溶浸法によるSiC粒子分散Al-Si合金複合材料の製造法"鋳造工学. 75・1. 29-34 (2003)
-
[Publications] Hideo Nakae: "Interfacial energy and structure in Al-Si alloys"Solidification and Casting. 328-338 (2003)
-
[Publications] 中江秀雄: "地球の資源・環境問題と鋳造業"素形材. 44・3. 8-15 (2003)
-
[Publications] C.C.Yang, H.Nakae: "The effect of viscosity and cooling conditions on the foamability"J.Mater.Proc.Tech.. 141. 202-206 (2003)
-
[Publications] Y.Fukuda, H.Nakae et al.: "New Semi-full Mold Process for Stainless Steel Castiongs"Proc.AFC. 8. 503-511 (2003)
-
[Publications] 中江秀雄, 藤井英俊ほか: "金属溶湯への粒子添加モデルとその検証"鋳造工学. 75・8. 545-551 (2003)
-
[Publications] 相澤龍彦, 中江秀雄, 寺嶋和夫: "材料プロセス工学"朝倉書店. 212 (2003)