2004 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を含む未利用天然ガスから石油化学原料への直接変換触媒の開発
Project/Area Number |
14350422
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大塚 康夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20091663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪内 直人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90333898)
菊地 毅光 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30169825)
|
Keywords | 天然ガス / 二酸化炭素 / 石油化学原料 / 複合酸化物触媒 / シリカ担体 |
Research Abstract |
天然ガスの主成分はCH_4であるが、20%以上のCO_2を含む中小ガス田が存在し膨大な埋蔵量を有する。このような低品位天然ガスはLNG化に適さないため未利用の状態にあるので、本研究では、CH_4とCO_2を分離せずに両者を原料に用い、高付加価値の石油化学原料(C_2H_4・C_2H_6)を直接製造できる触媒の開発を目指した。昨年度は、高表面積(880m^2/g)のメソポーラスモレキュラーシーブ(SBA-15)担体を用いると、C_2炭化水素生成量(触媒量基準)は未担持と同程度になることから、触媒成分の低減に有効であることを明らかにした。 本年度は、SBA-15より熱安定性の高いアモルファスシリカ2種を担体に使用するとともに、酸化還元能を持つ褐鉄鉱(α-FeOOH)と塩基性を示す石灰水(Ca(OH)_2)より成る安価なFe/Ca触媒系に着目し、C_2生成量の飛躍的向上を図った。昨年度と同様に石英製流通式反応装置を用い、CH_4とCO_2の混合ガスを流通し、生成物(C_2H_4、C_2H_6、CO)をマイクロGCで分析した。表面積300m^2/gのアモルファスシリカ上にCa/CeまたはBa/Mnを含浸担持して焼成したところ、反応条件に依らずCa/Ce系複合酸化物が安定で高い触媒性能を発揮し、最適条件下でのC_2生成量は750mmol/mol-cat.に上り、昨年度のSBA-15担体使用時より大きくなった。反応後のXRD測定やN_2吸着の結果は、触媒活性種が微分散した状態で保持されることが重要であることを示した。これに対して、Fe/Ca系複合酸化物では、Ca/Ce系より数倍も大きなCH_4転化率が得られるもののC_2選択率が著しく低下するため、C_2生成量は小さくなった。これは酸化鉄粒子の酸化力が強すぎることに基因すると考えられる。以上の結果より、シリカ担体の表面積や酸化物の酸化還元性を最適化することで、さらに高性能な触媒の開発が可能になるものと期待される。
|
Research Products
(2 results)