2002 Fiscal Year Annual Research Report
置換型ポリオキソメタレートによる分子状酸素を用いたアルケンのエポキシ化反応の開発
Project/Area Number |
14350423
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 哲孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50181904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 和也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50334313)
引地 史郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10282857)
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Keywords | ポリオキソメタレート / 置換 / 分子状酸素 / アルケン / 酸化 |
Research Abstract |
金属酸化物・複合酸化物触媒や担持触媒等の固体触媒は、錯体分子触媒のように反応活性点構造を精密に制御することは困難である。分子性金属酸化物クラスターアニオンであるポリオキソメタレートはその酸性質や酸化力に基づく触媒作用を示すが、その配位元素やクラスター中心に位置するヘテロ元素(ケイ素、リン、ホウ素、遷移金属等)を変化させることで化学的性質を制御できる。すなわち、ポリオキソメタレート中のタングステンやモリブデンの一部を他の遷移金属イオンで置換した遷移金属置換型ポリオキソメタレートが、分子状酸素や過酸化水素等の安価かつ環境負荷の小さい酸化剤を活性化して炭化水素の酸化反応を高効率的に触媒し、しかもこの導入遷移金属イオンの配列(=単核・二核・三核)や幾何構造(="サブナノ構造")と反応活性との間に大きな相関関係があることを見出している。以下にその概要を記す。 各金属種の反応特性の解明を目的として、鉄をはじめ様々な遷移金属(チタン・バナジウム・マンガン・コバルト・ニッケル・銅・ルテニウム等)活性点を有するポリオキソメタレートの合成及びその反応特性の解析を推し進めている。分子構造を明らかとした二原子欠損Keggin型ケイタングステン酸γ-[SiW_<10>O_<34>(OH_2)]^<4->に対しては、上記金属種について様々な合成条件での導入方法を検討し、これまでにバナジウム、鉄、コバルトについて二核遷移金属活性点を有するポリオキソメタレートの合成及び構造決定に成功している。また鉄錯体の場合と同様に様々な幾何構造のバナジウム中心を有するポリオキソメタレートについて酸化反応における構造-活性相関の検討を行い、V_2(μ-OH)_2活性点を有するバナジウム置換ポリオキソメタレートが過酸化水素を酸化剤とするオレフィンエポキシ化反応に極めて高い触媒活性を示すことを見出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Heterogeneously Catalyzed Liquid-phase Oxidation of Alkanes and Alcohols with Molecular Oxygen"New.J.Chem.. 26. 972-974 (2002)
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[Publications] N.Mizuno et al.: "Selective Oxidation of Hydrocarbons with Molecular Oxygen Catalyzed by Transition-Metal-Substituted Silicotungstates"Polyoxometalate Chemistry for Nano-Composite Design. 197-203 (2002)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Supported Ruthenium Catalyst for the Heterogeneous Oxidation of Alcohols with Molecular Oxygen"Angew. Chem. Int. Ed.. 41/23. 4538-4542 (2002)
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[Publications] N.Mizuno: "Control of Structure of Oxide Cluster and the Application to Catalytic Technology"Int.J.Soc.Mater.Eng.Resour.. 10・2. 135-137 (2002)