2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規複合脂質膜のみによる制がん機構解明と臨床応用に向けた展開
Project/Area Number |
14350439
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Research Institution | SOJO University |
Principal Investigator |
上岡 龍一 崇城大学, 工学部, 教授 (70099076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 陽子 崇城大学, 工学部, 教授 (00133562)
松下 琢 崇城大学, 工学部, 助教授 (10209538)
金納 明宏 (株)薬物安全性試験センター, 取締役
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Keywords | リポソーム(複合脂質膜) / がん化学療法 / 担がんマウス / 肝臓がん / 膜融合 / 癌診断 / 悪性黒色腫 / 延命効果 |
Research Abstract |
1.複合脂質膜のアポトーシス誘導メカニズム (1)DMPC/10mol%C_<12>(EO)_<23>複合脂質膜のヒト肺腺がん細胞(RERF-OK)及びヒト肺がん細胞(A549)に対する制がんメカニズムについて検討を行った。DMPC/10mol%C_<12>(EO)_<23>複合脂質膜は、RERF-OK及びA549細胞に対して、顕著な増殖抑制効果を示すことが明らかになった。また、RERF-OK及びA549細胞に対するDMPC/10mol%C_<12>(EO)_<23>複合脂質膜の制がんメカニズムは、がん細胞膜へ融合・蓄積後、カスペース-3,-8,-9を活性化し、DNAを断片化するアポトーシス誘導であることが明らかになった。 (2)DMPC/10mol%C_<12>(EO)_<23>複合脂質膜は、悪性度の異なるヒト肝臓がん細胞(Huh-7,Hep-G2)に対して、共に制がん効果を示し、特に、悪性度が高いHuh-7細胞に対しては、その制がん効果が極めて顕著であった。細胞の膜流動性は、Huh-7>,Hep-G2>Hcの順であり、制がん効果との相関性が明らかになった。さらに、DMPC/10mol%C_<12>(EO)_<23>複合脂質膜のHuh-7及びHep-G2細胞に対するアポトーシス誘導において、Huh-7細胞で最も早くカスペースが活性化されることが明らかになった。 2.複合脂質膜のin vivoでの制がん効果 (1)RAJI細胞移植マウスに対する治療実験から、DMPC/5mol%C_<12>(EO)_n(n=21,23,25)複合脂質膜は、延命効果が140%〜160%と高い延命効果が得られた。 (2)正常ラットを用いたDMPC/5mol%C_<12>(EO)_n(n=21,23,25)複合脂質膜の1週間反復投与毒性試験の体重、血球検査、血液性化学検査、各器官の剖検、臓器重量比などの結果から高い安全性が確認された。
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Research Products
(10 results)