2003 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウム・カルシウム同時可視化蛍光分子プローブの創製と細胞イメージング測定
Project/Area Number |
14350447
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 孝治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80154540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祥夫 (財)神奈川科学技術アカデミー, 光科学重点研究室・光機能材料グループ, 研究員 (60321907)
山田 幸司 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (30348825)
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Keywords | マグネシウムイオン / カルシウムイオン / 蛍光分子プローブ / BAPTA / β-ジケトン |
Research Abstract |
生細胞ではイオン、蛋白質をはじめとした多くの物質が、互いに協同的かつ連鎖的に作用することにより、細胞の機能を正常に維持している。このうちマグネシウムイオンとカルシウムイオンとの関係では、互いに拮抗し合い、マグネシウムは細胞内のカルシウムを取り出す様に働き、さらに動脈硬化の原因となるカルシウムの蓄積にもマグネシウムが関与していることが知られている。そこでカルシウムイオンとマグネシウムイオンとの協同的な作用の可視化を目的として、本年度はマグネシウムイオンとカルシウムイオンの同時認識可視化定量を可能にする分子プローブ(KCM-1)を設計・合成し、その特性を評価した。KCM-1は、マグネシウムイオンと高選択的に錯形成するβ-ジケトン部位、カルシウムイオン認識部位としてBAPTA構造、蛍光発色団としてクマリンを併せ持つ骨格を有している。KCM-1とマグネシウムイオンおよびカルシウムイオンとの錯形成挙動について、吸収スペクトルおよび蛍光スペクトル測定を用いて評価した。その結果、KCM-1の極大吸収波長は400nmであり、Ca^<2+>と錯形成すると360nmにブルーシフトし、Mg^<2+>と錯形成すると420nmにレッドシフトした。さらにCa^<2+>およびMg^<2+>濃度を変化させた際のKCM-1の蛍光強度変化から、短波長側で励起させることによりCa^<2+>の濃度を、長波長側で励起させることでMg^<2+>の濃度を定量することができた。今後、細胞に投与した後、蛍光顕微鏡を用いて、動的測定を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木祥夫, 岡浩太郎, 鈴木孝治: "マグネシウムイオン蛍光分子プローブ"和光純薬時報. Vol.72 No.3. 2-5 (2003)
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[Publications] E.Fujii, K.Nakamura, S.Sasaki, D.Citterio, K.Kurihara, K.Suzuki: "Application of the absorption-based surface plasmon resonance principle to the determination of glucose using an enzyme reaction"Instrumentation Science & Technology. Vol.31 No.4. 343-356 (2003)
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[Publications] D.Citterio, M.Omagari, T.Kawada, S.Sasaki, Y.Suzuki, K.Suzuki: "Chromogenic betaine lariates for highly selective calcium ion sensing in aqueous environment"Analytica Chimica Acta. Vol.504 No.2. 227-234 (2004)
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[Publications] Y.Suzuki, N.Tanji, C.Ikeda, A.Honda, K.Ookubo, D.Citterio, K.Suzuki: "Design and synthesis of labeling reagents (MS probes) for highly sensitive electrospray ionization mass spectrometry and their application to the detection of carbonyl, alcohol, carboxylic acid and primary amine samples"Analytical Sciences. 印刷中. (2004)