2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350473
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
友岡 克彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70207629)
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Keywords | カルボアニオン転位 / アセタール / 中員環エーテル / 芳香族アミン / ピロール / ピリジン |
Research Abstract |
本年度は官能基化されたヘテロ環状化合物の新規合成法として下記,2つの課題に取り組んだ. 1)環拡大型アセタール[2,3]-Wittig転位に関する研究:先に本研究で開発した環拡大型アセタール[2,3]-Wittig転位の展開研究として,多不斉中心を有する中員環ビニルエーテルの立体選択的合成を検討した.その結果,転位が基質アセタールのジアステレオマー分割を伴って進行し,二置換の9員環ビニルエーテルが高立体選択的に得られることを見出した.本反応で得られたエーテルは(+)-obtusenyne等の海洋性天然物の基本骨格として有用である. 2)ヘミアミナールを基質とする新規ピロール生成反応に関する研究:フタルイミド由来のヘミアミナールに強塩基を作用させると多置換ピロールが収率良く得られることを見出した.本反応は従来にない三成分連結型多置換ピロール生成反応であり,これまで合成困難であった三置換,四置換ピロール類の合成法として有用である.また,反応系中の赤外分光測定を行うことで,本反応が分子内カルボリチオ化を経て進行する多段階反応であることを明らかにした.さらに,本反応で得られたピロールに塩基条件下,クロロホルムを作用させると環拡大反応が進行し,塩素を含む4つの置換基を有するピリジンが収率良く得られることも明らかにした.以上,本研究においては,多官能基化された中員環エーテル類および芳香族アミン類(ピロール,ピリジン)の効率的合成法の開発に成功した.
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Research Products
(6 results)