2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14350479
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鹿又 宣弘 明治大学, 理工学部, 助教授 (40221890)
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Keywords | 面下斉立体制御 / シクロファン合成 / 酢酸銅 / 分子内アセチレンカップリング / 異性化晶出法 / 面不斉集合分子 / 相間移動触媒 / 不斉アルキル化 |
Research Abstract |
平成15年度は昨年度に引き続き,「シクロファンの新規効率合成法の開発と面不斉制御」を検討すると共に,「面不斉集合分子の効率的合成法の確立」を目指して研究を行った。 【シクロファンの新規効率合成法の開発】申請者らは昨年度までに,芳香環上の直鎖置換基を直接環化して架橋鎖を形成する「シクロファン架橋鎖合成法」として,ヨウ化サマリウムを用いた分子内ピナコールカップリング反応によるパラシクロファン誘導体の合成法を報告した.この方法により,炭素数8-12の架橋鎖を有するパラシクロファンジオール体が最大64%の収率で得られているが,今回酢酸銅を用いるアセチレンカップリングにより,パラシクロファジインおよびパラピリジノファジインを最大90%の収率で合成可能なシクロファン架橋鎖合成法の開発に成功した。 【シクロファン面不斉素子の効率合成】昨年度に引き続き,[11](2,5)パラシクロファン誘導体の異性化晶出を経てR体の面不斉を持つキラルな架橋安息香酸を与える合成手法を確立した。特に本年度は,効率定なキラル除去法を開発し,面不斉の低下を防ぐ面不斉カルボン酸素子の効率合成法を見いだした。 【面不斉集合分子の合成と不斉アルキル化反応の検討】面不斉の構成単位として,アミノメチル基およびハロメチル基を持つキラルシクロファンおよびキラルピリジノファン素子を合成し,アミンの置換反応を中心に短行程での相間移動触媒の合成を行った。この際,触媒活性の調整が図れるよう,面不斉の導入単位を1〜3と変化させた各種面不斉集合分子の合成を行った。また,グリシン誘導体の不斉アルキル化反応を検討した結果,最大71%deで不斉ベンジル化が進行することが明らかとなり,良好なエナンチオ選択性を示す相間移動触媒として利用可能であることを見いだした。 なお,本年度は研究の遂行上必要不可欠なHPLCの修理費を支出した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鹿又宣弘: "特異な構造を有する含窒素芳香族化合物の合成と機能に関する研究"有機合成化学協会誌. 61巻・4号. 352-359 (2003)
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[Publications] 鹿又宣弘 他3名: "A Simple Method Removing 2-Oxazolidinone and 2-Hydroxyethylamine Auxiliaries in Methoxide-Carbonate Systems for Synthesis of Planar-Chiral Nicotinate"Tetrahedron Letters. 44巻・18号. 3599-3603 (2003)
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[Publications] 鹿又宣弘, 及川純: "Adsorption-Induced Asymmetric Transformation of Planar-Chiral Pyridinophanes"Tetrahedron Letters. 61巻・18号. 3625-3628 (2003)
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[Publications] 鹿又宣弘: "N含有シクロファンの面不斉を立体制御する手法の開発"ファインケミカル. 32巻・19号. 5-13 (2003)