2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350479
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鹿又 宣弘 明治大学, 理工学部, 助教授 (40221890)
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Keywords | 面不斉立体制御 / シクロファン合成 / 酢酸銅 / 分子内アセチレンカップリング / 異性化晶出法 / 面不斉集合分子 / 相間移動触媒 / 不斉アルキル化 |
Research Abstract |
平成16年度も引き続き,「シクロファンの新規効率合成法の開発と面不斉制御」を検討すると共に,「面不斉集合分子の効率的合成法の確立」を目指して研究を行った。 【シクロファンの新規効率合成法の開発】申請者らは昨年度までに,ヨウ化サマリウムを用いた分子内ピナコールカップリング反応,および酢酸銅を用いるアセチレンカップリングにより,シクロファン誘導体の効率合成法に成功している。本年度は,合成スケールで行う目的で反応条件の最適化を行った結果,それぞれの合成法において,良好な収率でシクロファン合成に応用できることを見出した。 【シクロファン面不斉素子の効率合成】本年度は,[11](2,5)パラシクロファン誘導体の異性化吸着法により,S体の面不斉を持つキラル架橋安息香酸の合成手法を確立した。特にアルミナ,ゼオライト中における吸着特性について検討した結果,これらの中に含まれるアルミノール水酸基が,異性化吸着の面不斉立体制御に重要であることを示唆する結果が得られた。 【面不斉集合分子の合成と不斉アルキル化反応の検討】本年度も昨年度に引き続き,面不斉の構成単位として,アミノメチル基およびハロメチル基を持つキラルシクロファンおよびキラルピリジノファン素子を用い,様々な相間移動触媒の合成を行った。これらの触媒を用いた不斉反応として,シクロファンのみを面不斉素子とする触媒を用いたグリシン誘導体の不斉アルキル化反応を検討した結果,最大63%eeで不斉ベンジル化が進行することが明らかとなり,ピリジノファン型触媒の場合と同様に,良好なエナンチオ選択性を示す相間移動触媒として利用可能であることを見いだした。
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