2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350479
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鹿又 宣弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40221890)
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Keywords | 選択的合成・反応 / 不斉合成 / 面不斉立体制御 / シクロファン合成 / 面不斉集合分子 / 相間移動触媒 / 不斉アルキル化 |
Research Abstract |
平成17年度も引き続き,キラルシクロファン構造をもつ面不斉素子を複数集合させた「面不斉集合分子」の触媒機能向上を目指して研究を行った。 【新しい面不斉ピリジノファン素子の開発】面不斉ピリジノファンの異性体合成法について研究を行い,新しいピリジノファン不斉素子の供給ルートを確立した。具体的には,これまで手がけてきた[n](2,5)ピリジノファン骨格を有する架橋ニコチン酸誘導体の他に,新たに[n](3,6)ピリジノファン骨格を有する架橋ピコリン酸誘導体を合成し,その効率合成法の開発を行った。また,これらのカルボン酸部位にヒドロキシエチルアミド補助基を導入したアミド誘導体のジアステレオ分割に成功し,単一の面不斉を有する架橋ピコリン酸の合成を行った。さらに,X線結晶解析およびCDスペクトル解析によりこれらの絶対構造の決定を行った。 【面不斉集合分子の合成と不斉アルキル化反応の検討】シクロファンおよびピリジノファンを面不斉素子とする面不斉集合分子を種々合成し,相間移動触媒反応について引き続き検討を行った。今年度は特に,ピリジノファン面不斉を二つ導入した触媒の中に高立体選択的な不斉アルキル化に有望なものが含まれていることを見いだし,これらの触媒を用いた不斉反応として,不斉アルキル化反応を検討した。その結果,フェナントレン型のビスピリジノファン触媒を用いると,最大75%eeで不斉ベンジル化が進行することが明らかとなり,シクロファンを不斉源とする同型触媒よりも高いエナンチオ選択性を示す結果が得られた。また,これまでの面不斉相間移動触媒に関する一連の研究結果から,ピリジノファン触媒の方がシクロファン触媒よりも,一般的に高い選択性を有することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)