2004 Fiscal Year Annual Research Report
再生医工学および感染症への展開を目指したグライコ・ナノマテリアルズの創製
Project/Area Number |
14350486
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 一清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10023483)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 芳弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80183896)
三浦 佳子 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00335069)
|
Keywords | 糖鎖工学 / 生体機能材料 / 再生医工学 / 足場材料 / 生分解性 / 分子認識 / 細胞培養 / 感染症 |
Research Abstract |
(1)生分解性糖糖鎖高分子の酵素化学的合成 酵素触媒Lipaseによって、トレハロースおよびガラクト型トレハロース(GT)をセバシン酸ジビニルで位置選択的にエステル化し、重合性糖エステルへと変換した。続いて過酸化水素/アスコルビン酸を用いたラジカル単独重合によってポリビニルアルコール型糖鎖高分子(PV-TとPV-GT)へと導き、蛍光測定およびQCMによって糖結合性タンパク認識能について解析した。 (2)硫酸化糖を基本骨格とする抗インフルエンザ薬の分子設計。6-硫酸化N-アセチルグルコサミン(6-sulfo-GlcNAc)がホスト細胞表層のシアル酸(Neu5Ac)Neu5Acのミミックとして機能し、抗インフルエンザ薬のリード化合物となることをすでに報告した。本研究では4位の立体配置が異なる6-硫酸化N-アセチルガラクトサミン(6-sulfo-GalNAc)が、シアリルα2-6ガラクトース(Neu5Ac α2-6 Gal)をミミックしていることに着目して、ヘマグルチニンとシアリダーゼの両者を阻害できる新しいリード化合物になりうると考えた。6-sulfo-GalNAcはシアリダーゼやヘマグルチニンに対するin vitroアッセイでは阻害活性を示したにもかかわらず、細胞上ではウイルスに対し顕著な阻害活性を示すにはいたらなかった。そこで細胞親和性を高めるために、塩基性基のグアニジル基の導入を試みた。pNP基末端をアミノ基に変換してアルギニンと縮合することで、グアニジル基を導入した6-sulfo GalNAcおよび6-sulfo GlcNAcを合成した。 (3)病原性マイコプラズマに由来する新規糖脂質GGPLsの絶対構造・生理活性相関の解析 マイコプラズマの一種であるM.fermentansは、関節炎リウマチの原因菌ではないかと疑われている。本菌に新しいタイプの糖脂質GGPLs(GGPL-IおよびGGPL-III)に関連する目的の4種の立体異性体およびGGPL-IIIの効率的な合成に成功した。炎症抑制性サイトカインであるIL-10の誘導阻害試験では、合成GGPL-IおよびIIIに阻害活性が見られた。立体異性体間では、π-A等温線で特異な膜特性を示したGal-(S)型に天然型をしのぐ強い活性が見られ、GGPL類の膜中での集合体構造がM.fermentansの病原性と深く関係していると考えている。
|
Research Products
(8 results)