2002 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノクラスターハイブリッド超分子―合成・超薄膜形成及び機能開発―
Project/Area Number |
14350489
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中嶋 直敏 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (80136530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 裕人 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助手 (30274624)
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Keywords | 金属内包フラーレン / 脂質 / 二分子膜 / 電子移動反応 / 修飾電極デバイス / カーボンナノチューブ / 可溶化 / ピレン |
Research Abstract |
本研究では、フラーレンおよびカーボンナノチューブを異種材料と組み合わせたカーボンナノクラスターハイブリッドマテリアルの合成・超薄膜化・新機能開発を行い以下の成果を得た。 これまで金属内包フラーレンフィルムの構造、機能は全く報告されていない。ここでは、まず、アーク放電法よる金属内包フラーレン(La@C82-A, La@C82-B)を用い、人工脂質との組成比を変えコンポジットフィルムを作成し、電子移動特性を解析した。測定には作用極にLa@C82-A(または、La@C82-B)/脂質修飾BPG電極を用いた。サイクリックボルタモグラム測定より、La@C82-A(B)単独キャストフィルムでは不安定な酸化還元応答が観測されたにも関わらず、マトリックスとしてカチオン性人工脂質二分子膜を用いることにより、3段階の安定な酸化還元応答が観測可能であることが明らかとなった。マトリクスに人工脂質二分子膜を用いることで、La@C82-Aの安定な電子移動反応が観測可能であることが明らかとなった。電流値は掃引速度の平方根に比例し、拡散が電極反応の律速過程に関与した応答であることがわかった。La@C82-B/脂質修飾BPG電極においても同様のボルタモグラム応答が観測された。掃引速度依存性の検討では、La@C82-A/脂質フィルムで拡散が電極反応の律速過程に関与した応答であることがわかった。また掃引速度200mV/s以下の範囲で、電極界面の酸化還元種が電極反応の律速過程に関与した応答であることが示唆された。 一方、カーボンナノチューブは、溶媒に不溶である。ピレン基を持っポリエチレングリコールおよびアンモニウム型ピレンの水溶液は精製したカーボンナノチューブが可溶化できることを見出した。可溶化ナノチューブの蛍光スペクトル解析、ならびに原子間力顕微鏡による形態観察を行い、その基礎的特性を明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] E.Mouri: "Nanostructure of Fullerene-Bearing Artificial Lipid Monolayer on Water Surface by in situ X-ray Reflectometry"Langmuir. 18. 10042-10046 (2002)
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[Publications] H.Murakami: "Design, Synthesis and Photophysical Properties of C_<60>-Modified Proteins"J. Mater. Chem.. 12. 2026-2033 (2002)
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[Publications] N.Nakashima: "Water-Soluble Single-Walled Carbon Nanotubes via Noncovalent Sidewall-Functionalization with a Pyrene-Carrying Ammonium Ion"Chem. Lett.. 2002. 638-639 (2002)
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[Publications] M.Komatsu: "Aqueous Electrochemistry of C_<60> Incorporated in an Artificial Lipid Thin-Film on a p-Type Semiconductive Diamond Electrode"J. Electrochem. Soc.. 149. E277-E232 (2002)
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[Publications] T.Nakanishi: "Structure and Electrochemistry of Self-Organized Fullerene Lipid Bilayer Films"Chem. Eur. J.. 8. 1641-1648 (2002)
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[Publications] N.Nakashima: "Construction of a Metallofullerene La@C_<82>/Artificial Lipid Film-Modified Electrode Device and Its Electron Transfer"J. Phy. Chem. B. 106. 3523-3525 (2002)
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[Publications] 中嶋直敏: "フラーレン超薄膜の構造と機能"機能材料. 22. 12-18 (2002)
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[Publications] 中嶋直敏: "フラーレン脂質二分子膜・単分子膜の構造と機能"化学工業. 53. 569-574 (2002)
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[Publications] 中嶋直敏: "フラーレン薄膜とフラーレン蛋白質"高分子加工. 51. 367-371 (2002)