2003 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノクラスターハイブリッド超分子―合成・超薄膜形成及び機能開発―
Project/Area Number |
14350489
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中嶋 直敏 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (80136530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 裕人 長崎大学, 工学部, 助手 (30274624)
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Keywords | ナノカーボン / カーボンナノチューブ / 可溶化剤 / 孤立分散 / エネルギー移動 / ポルフィリン / ピレン / アントラセンポリマー |
Research Abstract |
本研究では、フラーレンおよびカーボンナノチューブを異種材料と粗み合わせた、カーボンナノクラスターハイブリッドマテリアルの合成・超薄膜化・新機能開発を行っている。異種材料の組み合わせにより、まったく新しい特異な機能(光・電子、触媒、磁性など)の発現、さらにはその展開としてナノスイッチ、ナノワイヤーなどナノテクノロジーを支える基盤材料開発が期待できる。今年度は、カーボンナノチューブを溶媒中に可溶化する新規化合物の分子設計、合成およびこれらを用いた可溶化、機能化についての実験を行った。得られた成果は以下のようである。 水溶性の多環芳香族分子(ポリマーを含む)を合成し、これらを用いたカーボンナノチューブの水中への可溶化ならびに機能化に関する研究をおこなった。多環芳香族分子としてピレン基、ポルフィリン基、アントラセン基を用いた。これらはいずれも単層カーボンナノチューブを水中もしくは有機溶媒中に可溶化出来ることがわかった。得られた可溶化溶液を電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、ラマン分光スペクトルにより解析したところ、ポルフィリン化合物およびピレンあるいはアントラセン基をもつポリマーは、有機溶媒中において単層カーボンナノチューブを孤立溶解することを見いだした。また、ポルフィリン化合物で可溶化された溶液では、ポルフィリンからナノチューブへのエネルギー移動が観測された。一方、ピレンあるいはアントラセン基を含む両親媒化合物は、水中での単層カーボンナノチューブの孤立溶解が可能であることを見いだした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Tominaga: "Phase Transition Effect of a Bilayer Membrane on the Electrode Reaction of Ferredoxin Embedded in an Artificial Lipid Membrane Film"J.Electroanal.Chem.. 561. 13-20 (2004)
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[Publications] N.Nakashima: "Surface Modification and Solubilization of Single-walled Carbon Nanotubes in Water with π-Aromatic Compounds" Surface Modification and Solubilization of Single-walled Carbon Nanotubes in Water with π-Aromatic Compounds"Fullerenes. 13. 277-284 (2003)
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[Publications] Takashi Nakanishi: "CHEMICAL REDUCTION OF FULLERENES C_<60> AND C_<70> EMBEDDED IN CAST FILMS OF CATIONIC LIPIDS"Fullerenes. 13. 13-19 (2003)
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[Publications] H.Murakami: "Noncovalent porphyrin-functionalized single-walled carbon nanotubes in solution and the formation of porphyrin-nanotube nanocomposite"Chem.Phys.Lett.. 378. 481-485 (2003)
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[Publications] N.Nakashima: "DNA dissolves Single-walled Carbon Nanotubes in Water"Chem.Lett.. 32. 456 (2003)
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[Publications] 中嶋直敏: "フラーレン脂質二分子膜の構造と電子機能"オレオサイエンス. 3. 83 (2003)
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[Publications] N.Nakashima: "H.T.Tien (Eds.), Membrane Science and Technology, Vol.7 : Planar Lipid Bilayers (BLMs) and their Applications, chap.29"Structure and electrochemistry of fullerene lipid-hybrid and composite materials. 1034 (2003)