2003 Fiscal Year Annual Research Report
分岐構造を有するポリ乳酸の合成およびその力学特性・生分解性制御
Project/Area Number |
14350490
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大内 辰郎 関西大学, 工学部, 教授 (60067650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 裕一 関西大学, 工学部, 助教授 (10213886)
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Keywords | ポリ乳酸 / 生分解性材料 / 分岐構造 / ポリデプシペプチド / 力学物性 / 結晶化度 / 動的粘弾性 / ポリグリシドール |
Research Abstract |
ポリ乳酸の優れた生体適合性や分解特性を損なうことなく、結晶性の高さに起因する問題点を克服する方法として、分岐構造の導入が考えられる。前年度までに側鎖に水酸基を有するセリンを含む乳酸-デプシペプチドランダム共重合体をマクロイニシエーターとして用いた櫛型ポリ乳酸の合成・評価を行ってきた。今年度は、繰り返し単位ごとに1つの水酸基を有するポリエーテルであるポリグリシドールをマクロイニシエーターとして用い、L-ラクチドのバルク開環重合を行うことにより、一段階の反応で分岐型ポリ乳酸の合成を行い、その物性について検討を加えた。ポリグリシドールの水酸基を開始点として、触媒に2-エチルヘキサン酸スズを用いてL-ラクチドのバルク開環重合を行うことにより、分岐型ポリ乳酸を合成した。ポリグリシドールの水酸基に対するラクチドの仕込み比を変化させることにより、様々な分子量を有する分岐型ポリ乳酸を合成することに成功した。さらにクロロホルムを溶媒としてキャストフィルムを調製し、DSC測定により熱分析を行った。その結果、分岐型ポリ乳酸は直鎖型ポリ乳酸と比較して結晶性が低下していることがわかった。また、引っ張り試験により、分岐型ポリ乳酸は直鎖型ポリ乳酸よりも大きな破断のびを示すことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Ouchi, T.Kontani, Y.Ohya: "Modification of Polylactide upon Physical Properties by Solution-Cast Blends from Polylactide and Polylactide-grafted Dextran"Polymer. 44(14). 3927-3932 (2003)
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[Publications] T.Ouchi, T.Kontani, Y.Ohya: "Mechanical Properties and Biodegradability of Solution-Cast Film Prepared from Amphiphilic Polylactide-Grafted Dextran"J.Polym.Sci.Part A Polym.Chem.. 41(16). 2462-2468 (2003)
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[Publications] Y.Ohya: "New Class of Lactic Acid Copolymers with Reactive and Hydrophilic Segments for Degaradable Biomedical Materials"Materials Science Forum. 426-432. 3231-3236 (2003)
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[Publications] T.Ouchi, Y.Ohya: "Desgin of Lactide Copolymers as Biomaterials"J.Polym.Sci.Part A Polym.Chem.. 42(3). 453-462 (2004)
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[Publications] 大矢裕一: "多様な物性を示す新規なポリ乳酸系生分解性高分子の合成とバイオマテリアルとしての応用"バイオマテリアル. 22(1). 24-35 (2004)