結晶性ブロック共重合体ブレンドの複合相転移による構造形成とその制御

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14350494
• Research Institution: Nagaoka University of Technology
• Principal Investigator: 塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568) ; 竹中 克彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30188205)
• Keywords: 結晶化 / 高次構造 / ミクロ相分離 / マクロ相分離 / 結晶性-非晶性ブロック共重合体 / 時分割小角X線散 / ポリエチレン-block-ポリスチレン / ポリエチレングリコール-block-ポリブタジエン

Research Abstract

結晶性-非晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造を有する融体からの結晶化における高次構造の変化、およびそれらブロック共重合体とその成分鎖に対応するホモポリマーとのブレンドにおける融体の相構造及びそれからの結晶化における高次構造形成に関して、放射光を線源とする時分割小角X線散乱を主として用い、検討した。用いたブロック共重合体は、非晶性成分がゴム状態であるポリエチレングリコール-ポリブタジエンブロック共重合体(PEG-PBd)と非晶性成分がガラス状態にあるポリエチレン-ポリスチレンブロック共重合体(PE-PS)である。どちらにおいても成分鎖の分子量より小さい分子量のホモポリマーを添加した場合は、マクロ相分離を起こさず、成分組成に応じて、ミクロ相分離形態がラメラからシリンダー構造へと変化した。一方、比較的大きい分子量を加えた場合は、マクロ相分離を起こし、ブレンド組成に応じて、1-ordered/1-disorderedおよび2-orderedの相挙動を示した。結晶化において、PE-PSブレンドでは、相構造にかかわらず、小角X線散乱曲線は、融体におけるものとピーク位置が一致した。一方、PEG-PBdブレンドでは、ラメラ構造からの結晶化では、結晶化に伴い構造が再編成されたが、PEGがシリンダー内にあるシリンダー構造においては、マクロ相分離の有無にかかわらず、融体のミクロ相構造が保たれた。また、PEGがマトリックス成分であるシリンダー構造からの結晶化においては、融体のミクロ相構造の維持・破壊は結晶化温度に依存した。

Research Products

• [Publications] 塩見友雄, 竹下宏樹: "ブロック共重合体の結晶化挙動と高次構造形成"高分子. 51. 745-749 (2002)
• [Publications] T.Shiomi, H.Takeshita, H.Kawaguchi, M.Nagai, K.Takenaka, M.Miya: "Crystallization and structure formation of block copolymers containing a rubbery amorphous component"Macromolecules. 35. 8056-8065 (2002)