2003 Fiscal Year Annual Research Report
結晶性ブロック共重合体ブレンドの複合的相転移による構造形成とその制御
Project/Area Number |
14350494
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
竹中 克彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30188205)
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Keywords | 結晶化 / 高次構造 / ミクロ相分離 / マクロ相分離 / 結晶性-非晶性ブロック共重合体 / 時分割小角X線散 / ポリエチレングリコール-block-ポリブタジエン / ポリエチレン-block-ポリスチレン |
Research Abstract |
結晶性-非晶性ブロック共重合体とその成分鎖に対応するホモポリマーとのブレンドにおける融体の相構造及びそれからの結晶化における高次構造形成に関して、放射光を線源とする時分割小角X線散乱を主として用い、検討した。主として用いたブロック共重合体は、非晶性成分がゴム状態であるポリエチレングリコール-ポリブタジエンブロック共重合体(PEG-PBd)である。PEG組成58%でラメラ構造を発現するPEG-PBdに、PEGブロックの分子量より小さい分子量のPEGホモポリマーを加えた場合、90℃において、20%程度までの添加量においては1相でラメラ状ミクロ相分離、20-50%でラメラとシリンダー状ミクロ相分離を有する2相、50%以上では再び1相であるがシリンダー状のミクロ相分離構造が発現した。またこれらの2相領域において、温度の上昇とともに、シリンダー相が減少、喪失し、このことからこのブレンドは約250℃に臨界点があるUCST型相図を有することが示された。このような相構造を有する融体からの結晶化において、1相領域、2相領域からの結晶化にかかわらず、シリンダー状相分離構造下からの結晶化は融体のミクロ相分離構造を保持したまま、ラメラ状からはミクロ相分離構造を破壊して結晶化した。これは、非晶性成分がガラス状態にあるポリエチレン-ポリスチレンブロック共重合体(PE-PS)の結晶化においては、融体のミクロ相分離構造が結晶化においても完全に保たれることと対照的であった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Takeshita, N.Ishii, C.Araki, M.Miya, K.Takenaka, T.Shiomi: "Crystallization and structure formation of block containing a glassy amorphous component"Journal of Polymer Science, Part B, Polymer Physics Edition. 42. (2004)