2004 Fiscal Year Annual Research Report
高圧噴霧燃焼制御のための近臨界表面液ジェットの特性と乱流微粒化機構の研究
Project/Area Number |
14350510
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅村 章 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60134152)
|
Keywords | 乱流微粒化 / 近臨界混合表面液ジェット / レーリー・テーラーの不安定性 / フィードバックループ / 微小重力実験 / 線形安定性解析 / 微粒化機構 / 表面張力波 |
Research Abstract |
室温において、高圧窒素ガス中にSF_6液を噴射すると、液面が臨界混合状態に近くなり、表面張力が非常に小さくなる。本研究では、この特性を利用して、低速噴射で高ウェーバー数流れを実現し、乱流微粒化で問題になる噴射液の不安定化と液糸の分断を模擬する過程を高速度ビデオカメラで観察している。昨年度までの実験によって、窒素ガス圧と噴射条件(ノズル口径、噴射速度)が分断距離と分断波長に及ぼす影響を調べてきたが、この測定はビデオ画像が持つごく一部の情報を利用しているに過ぎなかった。本年度の研究では、それぞれの実験条件に対する高速度ビデオ画像を全て用いて新しい情報を引き出す試みとして、異なった軸方向位置での噴射液の表面変位に対する相関関数を画像処理によって算出し、卓越表面波の局所移動速度の測定を行った。その結果、平均移動速度は、分断距離に近いところでは噴射速度に近い値を取るが、ノズル出口に近づくに従って単調に零まで低下することが判明した。このことは、ノズル近傍の表面波のスペクトルが白色ノイズ的になっていることを意味し、以前に理論的に予測したノズル出口でのレーリー・テーラー不安定波の励起機構(下流からノズル出口に達する表面波がノズル出口で不安定波に転化する)を間接的に支持する結果になっている。しかし、これまで行ってきたバックライト法による噴射液の撮影では、ジェットを包むSF_6蒸気が作る影(表面変形と連動したガス流の様子を知るには好都合であった)によって、細かい液面の変化がマスクされるので、変位の小さなノズル近傍の液面形状が正確に抽出できている保証はない。そこで、次に、噴射液の正確な表面変形を知るために、バックライト法による高速度ビデオ撮影画像の間に、前方からストロボフラッシュを照射し噴射液の表面形状を写した画像を挿入し、噴射液近くのガス流の様子と噴射液の表面変形を同時に撮影する方法の開発を行った。
|
Research Products
(6 results)