2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350516
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Research Institution | Japan Aerospace and Exploration Agency (JAXA) |
Principal Investigator |
名取 通弘 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 教授 (00013722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 健 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 助教授 (60165090)
奥泉 信克 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙構造・材料工学研究系, 助手 (10321564)
石村 康生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手
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Keywords | 階層モジュラー構造物 / 自然物と人工物の概念 / 柔軟構造要素 / 膜面 / リンクル / 非線形有限要素法 / 張力場理論 / 修正応力歪みテンソル |
Research Abstract |
モジュール構造の基本概念の検討、およびケーブルや膜面のような柔軟構造要素の特性の解明を行った。 モジュール構造の概念は人工物や自然物によく見られるが、人工物では製造、試験、輸送、解析などの観点から機能別にまとめられたサブシステムとして考えられてきた。それに対し自然物では同じ機能を持つ合同あるいは相似なモジュールが集まって構造物システムの全体を構成している。その場合はひとつのモジュールが故障しても他のモジュールが同じ機能を果たせるし、構造物システムの拡張も容易である。そのようなモジュール構造の概念は拡張性指向、システム的、能動的であるが、それに対して従来の構造物の概念は最適化指向、要素的、受動的である。そして同じモジュールの繰り返しを階層的に人工物に取り入れることによって、従来の構造物が目指した方向とは別の可能性があることを、平面トラス構造を例として示した。 最近の構造物ではケーブルや膜面のような柔軟な構造要素が積極的に用いられるようになっている。特に宇宙構造物においてはその要求が強く、ソーラーセイルなどの膜面展開構造物にはその傾向が著しい。膜面は曲げ剛性がほとんどないために、リンクル(しわ)が簡単に発生する。本研究では厳密な非線形有限要素解析と応力状態のみに注目した張力場理論による解析とを並行して、具体的な膜面の挙動、二つの解析方法のそれぞれの利点を明らかにした。その結果、リンクル現象には境界周辺の影響が非常に強く現れることなどリンクル現象そのものが明確にでき、また膜面が強いリンクル状態にあっても安定した解析が可能となる修正応力歪みテンソルによる張力場有限要素法を提示した。
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Research Products
(6 results)