2004 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科自家不和合性においてS対立遺伝子間で生じる優劣性発現機構の分子基盤
Project/Area Number |
14360002
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡辺 正夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (90240522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 剛 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (10314444)
高田 美信 岩手大学, 日本学術振興会, 特別研究員
柿崎 智博 岩手大学, 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | アブラナ科植物 / 自家不和合性 / 自他識別 / S遺伝子 / 優劣性 / SP11遺伝子 / メチル化 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
前年度までの研究で、class-IIハプロタイプのうち、S40,S44のSP11-SRKの領域の塩基配列は完全に決定できたが、S29については、その物理的距離などが不明瞭であった。そこで、再度、ライブラリーをスクリーニングし、S29のSP11-SRKの領域を完全に含むクローンを単離・解析したところ、S40とS44と同様にSP11の上流約10kbにSRKの一部が座乗していた。 SP11の発現制御を明らかにするために、プロモーター領域のメチル化程度に注目して、実験を行ったが、葯全体を用いた場合、Sホモ系統とSヘテロ系統で、差が見られなかった。 SP11 promoter領域と結合する因子を酵母のone-hybrid systemによりスクリーニングを試みたが、バックグラウンドが高く、陽性と陰性のクローンを識別することが困難であり、baitに使う領域をかえるなど、さらなる検討が必要と考えられた。 また、SP11遺伝子が核内でどの様なクロマチン状態下におかれているか、を調べるための予備的な研究として、染色体や核内の遺伝子の様々な可視化技術の開発を試みた。アブラナ科植物と同様に小さな染色体を持つ、イネやタバコに巨大DNA断片を遺伝子導入した形質転換系統をモデルとして、FISH法やファイバーFISH法の効率的システムを構築し、遺伝子の染色体上や核内の位置や導入遺伝子座数などを正確に可視化することが可能になった。今後のS遺伝子座のクロマチン状態の観察を行う上で重要な情報が数多く得られた。
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Research Products
(4 results)