2004 Fiscal Year Annual Research Report
TACベクターとプロテォーム解析を用いたダイコンの稔性回復遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
14360007
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
寺地 徹 京都産業大学, 工学部, 教授 (90202192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (10210345)
黒坂 光 京都産業大学, 工学部, 教授 (90186536)
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Keywords | 細胞質雄性不稔 / 稔性回復遺伝子 / ダイコン / オグラ型細胞質 / PPRモチーフ / Raphanus sativus / Rf |
Research Abstract |
本申請課題は、ハマダイコン、ハツカダイコンなど一部のダイコンが保有する、オグラ型雄性不稔に対する稔性回復遺伝子(Rf遺伝子)をクローニングし、その構造と機能、遺伝的多型と進化を明らかにすることを目的とする。Koizuka et al.(2003)による中国ダイコンのRf遺伝子のクローニングに続き、我々もRf遺伝子に相当すると考えられる新規オープンリーディングフレーム(orf687)を、ハマダイコン(熊本県富岡町で採種)、及びハツカダイコン(品種コメット)からRT-PCR法を用いてクローニングすることができた。また日本の栽培ダイコン(打木源助)、福岡県で採種された雄性不稔のハマダイコンから、それぞれrf遺伝子に相当する遺伝子の塩基配列情報を得ることもできている。その結果、これらのorf687は、いずれもPPRモチーフを持つ新規タンパク質をコードするものであることが示され、塩基配列の比較から、ハマダイコンのRfはrfと比べ6番目のPPRモチーフ内の3カ所でアミノ酸に違いがあることが判明した。興味深いのは、この3つの変異のうち2つがチャージの変化を伴う変異であったことで、PPRモチーフの性質や他の証拠から、このチャージの違いがRfとrfの機能的な差を生んでいるものと考察した。また、ハツカダイコンのRfはrfと比べ14カ所でアミノ酸に違いがみられた。現在、他のハツカダイコンが持つRf及びrf遺伝子のクローニングと構造解析を行っており、ハツカダイコンでは、この遺伝子の多型性が高いことが示唆されている。なお、将来のPPR遺伝子の機能解析にむけ、ハツカダイコンのRf遺伝子、日本の栽培ダイコンのrf遺伝子をそれぞれバイナリーベクターへクローニングし、アグロバクテリウム法によりタバコへ導入した。これらの遺伝子を持つ組換えタバコを育成中である。
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Research Products
(4 results)