2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大場 伸也 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80221836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 輝博 岐阜県農業技術研究所, 育種部, 研究員
下山田 真 岐阜大学, 農学部, 助教授 (60235695)
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Keywords | 作物 / 脱粒 / 収量 / ダイズ / ソバ / 空間分布 / 収穫 / 証明 |
Research Abstract |
作物の脱粒性による収量損失のメカニズムを明らかにするために、ダイズとソバを用いて実験・調査を行った。 ダイズについては、岐阜県内3ヶ所と富山県内1ヶ所で実験調査を行った。また、昨年度に行った愛知県内と岐阜県内の圃場各1箇所での調査結果との比較を行った。ダイズの収量損失量は、農家圃場によって大きく異なり、特に愛知県と岐阜県での収量損失が目立つた。これら両県の調査圃場では、奨励品種フクユタカを栽培していたが、この品種の特性は裂莢性中〜易とされている。一方、富山県の調査圃場で栽培される品種は、裂莢性易のエンレイであったが、脱粒による収量損失は小さかった。これらのことは、脱粒による収量損失が、品種特性の他に栽培条件や栽培環境にも影響されることを示す。また、ダイズ圃場の現地調査から、圃場内のダイズ枯れ上がりの不均一が、収穫時期の判定を困難にし、脱粒を招くことがあることがわかった。そこで、ダイズ圃場内の枯れ上がりの不均一の発生原因を調べた。ダイズが不均一に枯れ上がる原因として、圃場に隣接する街路灯の影響が大きいことがわかった。フクユタカの場合、街路灯の照度が0.1lx程度でも生育に影響を及ぼし黄化を妨げることがわかった。また、土壌の物理・化学的特性も、圃場内での枯れ上がり斑の原因となった。 ソバについては、脱粒性に関しての品種比較を行った。比較には、引っ張り試験機による小枝の強度を測定した。小枝の強度は開花後徐々に上昇し、その後痩果の登熟に従い低下した。品種間差の検定には、痩果皮が褐変した10日後が適当であった。品種間で比較したところ、大粒品種は小粒品種に比べ、脱粒しにくかった。また、雑種集団について、脱粒性の改良を目的とした選抜を行ったところ、選抜効果が見られ遺伝率の高いことがわかった。
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