2004 Fiscal Year Annual Research Report
水田を利用した富栄養化水による野菜栽培システムの確立と水質浄化
Project/Area Number |
14360015
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
篠原 温 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30015903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 達 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (20143266)
高垣 美智子 千葉大学, 園芸学部, 講師 (00206715)
岡部 勝美 太洋興業(株), 農業開発部, 研究開発職
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Keywords | 富栄養化 / 湖沼浄化 / エンサイ / 休耕田 / 自動収穫機 |
Research Abstract |
千葉県柏市、我孫子市、沼南町にまたがる手賀沼において富栄養化した河川、湖沼水を極低濃度の培養液として捉え、その水で野菜を生産し、同時に湖沼水の浄化を計るシステムに関する一連の研究を開始した。手賀沼湖上にイカダ等の設備を設置する方法は河川法上も問題であり、小規模の野菜栽培では浄化量も限定されることから、本研究では手賀沼周辺の休耕田に注目した。実際には、休耕中の周辺水田に富栄養化した湖沼水を導入し,野菜を栽培するシステムを開発するものである。これまでの試験結果から、手賀沼の水で最も生育が良い作物は、エンサイであることが特定されている。ただ、エンサイは熱帯から亜熱帯性の水生野菜であるため、冬期は枯死してしまう。このため、冬期に本システムに導入可能な作物を選定する必要がある。 本年度は、昨年度に開発した栽培システムを改良すると同時に、エンサイを導入した場合の適正な栽培方法、給液量の決定を行った。この結果、ベッドの長さは20mまでの溝構造のものが適しており、給液量は一株当たり1日36リットル以上必要であると結論づけた。これらの試験を通じて、富栄養化水中の無機イオンと同時に、験濁物質(SS)に含まれる栄養成分が、植物の生長に大きな役割を果たしていることが明らかになった。また、生鮮野菜としての安全性について検討するため、実際に手賀沼で栽培したエンサイに付着した菌相の調査を行ったところ、問題となる量の大腸菌群の存在は認められず、洗浄・加熱すれば食品としての安全性には問題がないことが判明した。 冬期に導入可能な作物の候補の選定は、ポット試験で実施し、いくつかの作物が栽培可能な作物としてあげられた。
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Research Products
(4 results)