2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360018
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高柳 勉 山梨大学, 工学部, 助教授 (00252007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 徹 山梨大学, 工学部, 講師 (10252008)
横塚 弘毅 山梨大学, 工学部, 教授 (60020450)
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Keywords | キチナーゼ / ブドウ / 耐病性 / PRタンパク質 / Vitis |
Research Abstract |
植物キチナーゼは,植物の感染特異的タンパク質(PR protein)の一種であり,植物の病気抵抗性レスポンスにおいて重要な役割を持つと推測されている。本研究の目的は,成熟期のブドウ果実に発現するキチナーゼを分離・精製し,酵素学的性質そして植物病原菌に対する抗菌作用を検討し,病気抵抗性レスポンスにおけるキチナーゼの役割を明らかにすることである。 本年度は,下記の2つ研究成果を得た。 1.成熟期ブドウ果実に発現するキチナーゼの精製とその性質 マスカット・ベリーAの成熟果実の果皮より得た抽出液をキトパールBL-01アフィニティークロマトグラフィーにより分離した。キトパールから溶出したキチナーゼ画分をSP-Sepharose HPカラムクロマトグラフィーにより分離し,キチナーゼ活性を示す二つのタンパク質ピーク(ピークIとII)が得られた。ピークIとIIはSDS-ポリアクリルアミド電気泳動で単一バンドを示し,その分子量は29.2kDa(I)と27.7kDa(II)であった。ピークIおよびIIの反応最適pHは5.0であった。ピークIおよびIIともにブドウ灰色カビ病菌であるBotrytis cinereaの分生子の発芽と菌糸の生育を阻害したが,その作用はピークIIの方が強かった。 2.成熟期ブドウ果実におけるキチナーゼ遺伝子の発現 耐病性の異なるブドウ5品種の成熟期果実のキチナーゼ活性とキチナーゼmRNAの発現量を経時的に測定した。キチナーゼ活性は糖度の上昇がはじまるベレゾーン期以降に上昇し,耐病性の高い品種ほど強い傾向が見られた。クラスI, III, IVキチナーゼの塩基配列を基に設計したプライマーを用いてキチナーゼmRNA発現量を測定したところ,健全な果実では,クラスIVキチナーゼのみが発現し,その発現レベルは,キチナーゼ活性と相関していた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Ano, A., Takayanagi, T., Uchibori, T., Okuda, T., Yokotsuka, K.: "Characterization of a class III chitinase from Vitis vinifera cv.Koshu"Journal of Bioscience and Bioengineering. (in press). (2003)