2004 Fiscal Year Annual Research Report
非プロテアーゼ系炭素-窒素結合切断酵素群の分子機能解析
Project/Area Number |
14360047
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 達彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70221976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 義輝 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (00323254)
東端 啓貴 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (20344864)
間世田 英明 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (10372343)
|
Keywords | ニトリラーゼ / ニトリルヒドラターゼ / アミダーゼ / アシルCoA合成酵素 / アルドキシムデヒドラターゼ / イソニトリルヒドラターゼ / N-置換ホルムアシド分解酵素 / ニトリルイソニトリル |
Research Abstract |
非プロテアーゼ系炭素-窒素結合切断酵素群の中で、(他の酵素に関しては継続して研究を進めているが)現在、特にN-置換ホルムアミド分解酵素に関して得られている成果を以下に記載する。 イソニトリル分解菌はイソニトリル代謝において、N-置換ホルムアミドをさらに分解すると考えられるが、それに関与する酵素は未知であった。N19-2株からN-置換ホルムアミド分解酵素の取得を試みたが、不成功に終わった。従って、自然界より新たにN-置換ホルムアミド分解菌F164株(細菌Arthrobacter pascensと同定)を分離し、本株からN-置換ホルムアミド分解酵素を初めて発見した。本酵素は、N-置換ホルムアミドをアミンとギ酸に変換することから、N-置換ホルムアミドデフォルミラーゼと命名した。本酵素は硫安分画、DEAE-Sephacel、Resource ISO、Resource Qのステップにより118倍に、均一標品として単離精製することに成功した。本酵素の分子量はゲル濾過測定により121kDaであり、サブユニットの分子量がSDS-PAGEで61kDaであることから、本酵素は同一サブユニットから成るダイマーであることが判明した。さらに、基質特異性・最適pH・最適温度などN-置換ホルムアミドデフォルミラーゼの生化学的諸性質を解析した。また、本菌はイソニトリル分解菌でもありイソニトリル代謝において、イソニトリルヒドラターゼとN-置換ホルムアミドデフォルミラーゼがリンクしている可能性を初めて提示した。また、本酵素の構造遺伝子の単離にも成功した。相同性検索の結果、全長にわたって有意な相同性を示す既知の酵素は見つからず、本酵素が全く新規であることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)