2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360073
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 幹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20144131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 ちひろ 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (10343211)
青木 直人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40242846)
灘野 大太 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (00228074)
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Keywords | 難消化性 / 腸管吸収 / 血中動態 / 卵アルブミン / 糖タンパク質 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度の研究成果をふまえて設定した条件でさらに詳細な研究を進め、難消化性食品成分の動態と吸収の機構解明を目指した。 セリンプロテアーゼインヒビターであるセルピンと同族の卵アルブミン(OVA)は、未変性では難消化性であり卵アレルギーの主要アレルゲンとして知られている。このOVAをモデルタンパク質として、マウス消化管内から未消化のままで体内に吸収される現象について、末梢血中での検出と動態を中心に解析した。OVA 10mgをマウスの胃内に投与した後、尾静脈より経時的に採血し、血液中のOVA濃度を高感度ELISAにより測定した。その結果、末梢血中濃度は、投与から15〜30分で最高値20ng/mL程度に達した後、漸減し、120分後には投与前の値に戻った。次に、胃内に投与したOVAの量と消化管から吸収され血中に移行するOVAの濃度との相関を調べるために、0.1mg,1mg,50mgのOVAをマウスの胃内に投与し、同様に末梢血中OVA濃度を測定した。その結果、末梢血中濃度の最高値は0.1-50mgの範囲で投与量に依存して増加した。また、投与量に依存して血中OVA濃度の最高値は異なるが、血中濃度の変動は全ての投与量において類似のキネティクスを示した。 また、プロテアーゼによる消化を受けにくい糖タンパク質やプロテオグリカンのような複合タンパク質を種々の食物中に探索し、乳汁中の糖タンパク質の一つがシアル酸の重合体(ポリシアル酸)を結合糖鎖に持つことを発見した。乳が新生児の消化管内で消化される際に、このポリシアル酸付加糖タンパク質が未分解のまま残存する可能性が示唆され、今後、体内への吸収と生理的意義について解析を進める。
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Research Products
(1 results)