2002 Fiscal Year Annual Research Report
セルロースナノテンプレートで構造制御する植物細胞からのカロースシートの構築
Project/Area Number |
14360101
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
近藤 哲男 森林総合研究所, 成分利用研究領域セルロース利用研究室, 主任研究官 (30202071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸井田 敏彦 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (60163945)
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Keywords | プロトプラスト / カロース繊維 / 繊維構造 / カルシウムイオン |
Research Abstract |
植物体におけるCa^<2+>の二次代謝(細胞壁形成)への影響を調べたところ、従来からの研究で用いられた添加量よりはるかに多量のCa^<2+>イオン添加条件下で、プロトプラストがカロース繊維を生産し始めることを発見した。これは、一種の低エネルギー型の高分子構造材料生産システムとして考えられるため、まず現象そのものの解明、そしてシステム化へと検討することを目的としている。 プロトプラストがカロース繊維を生産する機構を解明するため、二つの観点から検討している。第一に、細胞膜表面に存在すると考えられるカロース合成酵素の局在とその存在形態を明らかにすることである。そのため、まず、これまでに合成した動物(酵母)由来のカロース合成酵素の抗体が、本研究の植物系でのカロース合成酵素へ適応可能であるか否かを検討した。カロースは、植物細胞の分裂初期に細胞板へ生合成されることが知られていることから、細胞板に存在するカロースとカロース,合成酵素を利用し、ポジティブコントロールとして、抗体が細胞板へ結合可能であるかを免疫光学顕微鏡法の手法により確認した。さらに、今後実験に使用するための抗体の最適希釈濃度を検索した。第二に、プロトプラストが生産するカロース繊維はこれまでに毎い大きさであることから、繊維がどのような構造を有しているのかを解析することである。カロース繊維の構造を観察するため、樹脂包埋した後に超薄切片を作成し、電子顕微鏡により観察した。さらに、カロース抗体を用いた免疫染色により、繊維構造中のカロースの存在状態を確認した。
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