農山漁村における女性生活者の変容と地域社会へのインパクトに関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14360131
• Research Institution: Nara Women's University
• Principal Investigator: 秋津 元輝 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (00202531)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大石 和男 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20335300) ; 澁谷 美紀 (独)農業技術研究機構, 東北農業センター, 研究員 ; 藤井 和佐 岡山大学, 文学部, 助教授 (90324954)
• Keywords: 女性起業 / 地域意識 / 地域女性リーダー / 地域女性ネットワーク / 公的領域 / 家庭内地位 / 地域資源

Research Abstract

今年度は各分担者がテーマと調査地域を絞りながら研究を進めた。秋津はおもに岐阜県明宝村にある、村の支援によって設立された地域の女性だけによる株式会社を対象として、その設立の経過や地域へのインパクト、さらにはそこで働く女性たちと地域意識との関連について調査研究した。その結果、同じ会社に働く就業者であっても、その中での地位や関係の歴史、居住する地域などによって、会社や地域との関連に関して大きく意識が異なることがわかった。また、地域資源へのアクセスと女性との関連についても資料を集めた。藤井は山形県や長野県の事例から、女性リーダーと行政的支援との関連について調査研究した。長野では女性の農村地域活動がNPOへの展開した例を取り上げて、その特徴について資料を集めた。澁谷は、東北地域を対象として女性の地位活動と家族内関係に焦点を当てて調査をおこなった。家族内での女性への支援が、地域のリーダーになっていくにあたって、重要な要因になっていることがわかりつつある。大石は全国的な農村女性ネットワークの会員を対象として、彼女らがどのように自分たちのより身近な地域で人々のネットワークを作り上げているのか、その場合の地域とはどのようなものが想定されているのかについて、会員の散らばる各地域において調査研究をおこなった。そこから、農村地域女性ネットワークの特徴として脱「従来型地域密着組織」あるいは脱「従来型公式組織」という性格が発見されている。さらに、メンバー全員による現地調査も実施し、共通の事例を題材としながら、その動きをどのように解釈するのかについて討議をおこなった。

Research Products

• [Publications] 秋津元輝, 中田英樹: "開発の功罪-発展と保全の相克"観光と環境の社会学(古川彰・松田素二編著)(新曜社). 188-210 (2003)
• [Publications] 澁谷美紀: "脱サラ農業"東北都市事典(東北都市事典編集委員会編)(東北都市学会). (2004)
• [Publications] 澁谷美紀: "定住促進"東北都市事典(東北都市事典編集委員会編)(東北都市学会). (2004)
• [Publications] 澁谷美紀: "夏秋どりイチゴの消費者ニーズの解明-グループインタビューを適用して-"農業経営通信. 219. 19-21 (2004)
• [Publications] 藤井和佐: "バンコク都中間層居住地域における地域力の担い手〜文化変容とジェンダーの観点から〜"文化共生学研究(岡山大学大学院文化科学研究科). 2. (2004)