2003 Fiscal Year Annual Research Report
フルクタンに関するゲノム情報を活用した高品質・高機能なイネ科牧草育種素材の開発
Project/Area Number |
14360160
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
山田 敏彦 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター・作物開発部イネ科牧草育種研究室, 室長 (70343952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 みどり 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 北海道農業研究センター地域基盤部・越冬ストレス研究室, 主任研究官 (00355455)
中嶋 博 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (40001474)
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Keywords | イネ科牧草 / フルクタン / ゲノム / 形質転換 / 越冬性 / 遺伝資源 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
寒地型イネ科牧草のフルクタン含量は越冬性と飼料品質の向上に深く関わっており,その代謝に着目することは,越冬性に優れ,高品質かつ高機能なイネ科牧草品種の開発には重要である。そこで,フルクタンに関するゲノム情報を活用しながら,高品質・高機能なイネ科牧草育種素材の開発を図ることを目的とする。 本年度は,(1)オーチャードグラスにおいてフルクタンが主成分である可溶性炭水化物(WSC)含量で選抜・交雑した後代ではその含量が高く,遺伝性を示すことを明らかにした。(2)ペレニアルライグラス低温馴化冠部由来cDNAライブラリーのスクリーニングから既知のフルクタン合成に関与する遺伝子と相同性の高い4種類の完全長cDNAを単離し、prft1、prft2、prft3、prft4と名付けた。prft1,prft2は低温馴化過程で葉部での発現の増加がみられ、形質転換酵母の試験からともにイヌリンを合成する1-FFTをコードする遺伝子であることを明らかにした。一方、prft3はフルクタンネオシリーズを合成する6G-FFT遺伝子であることを同定した。prft4は塩基の情報からすでに報告のある1-SSTの遺伝子である可能性が高いことを示唆した。さらに,これら遺伝子の情報からDNAマーカーを作成した。(3)ペレニアルライグラス越冬前冠部組織におけるフルクタンやショ糖の含量に関するQTL領域を明らかにした。(4)コムギのフルクタン合成酵素(6-SFT、1-SST)をコードする遺伝子を導入したペレニアルライグラス遺伝子組換え植物体を得た。遺伝子組換え植物体ではコントロールと比較して有意に高いフルクタンの蓄積がみられた。また、葉組織を凍結させ電気伝導度による測定結果から、耐凍性が向上していた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Yamada, E.S.Jones, N.O.I.Cogan, A.C.Vecchies, T.Nomura, H.Hisano, Y.Shimamoto, K.F.Smith, M.D.Hayward, J.W.Forster: "QTL analysis of morphological, developmental and winter hardiness-associated traits in perennial ryegrass (Lolium perenne L.)"Crop Science. 44(印刷中). (2004)
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[Publications] 山田敏彦: "寒地型イネ科牧草の育種およびDNAマーカーの開発とQTL解析"日本草地学会誌. 49. 57-63 (2003)
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[Publications] T.Yamada, H.Hisano, H.Shinozuka, Y.Shimamoto: "Molecular characterization of low-temperature induced genes in perennial ryegrass (Lolium perenne L.)"Molecular Breeding of Forage and Turf 2003, May 18-22, 2003, Dallas, Texas, USA. 34 (2003)
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[Publications] H.Hisano, A.Kanazawa, A.Kawakami, M.Yoshida, T.Yamada, Y.Shimamoto: "Molecular analysis of genes related to sugar metabolism during cold acclimation in perennial ryegrass (Lolium perenne L.)"Molecular Breeding of Forage and Turf 2003, May 18-22, 2003, Dallas, Texas, USA. 33 (2003)
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[Publications] T.Yamada, H.Hisano, S.Kobayashi, T.Nomura, H.Shinozuka, A.Kawakami, M.Yoshida: "Genome based analysis for winter hardiness in forage grasses"International Workshop on 'Functional Genomics and Breeding Strategies for Cold Tolerance in Plants', Aug.26-27, 2003, Sapporo.. 26 (2003)
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[Publications] 久野裕, 金澤章, 中嶋博, 喜多村啓介, 山田敏彦: "ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)におけるフルクタン合成に関与する遺伝子の単離"育種学研究. 5(別2). 131 (2003)