2003 Fiscal Year Annual Research Report
乳房中で細菌を殺す機構、酵素の遺伝子発現並びに遺伝に関する総合的研究
Project/Area Number |
14360163
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 仙吉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80114487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今川 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00291956)
青木 不学 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (20175160)
伊藤 喜久治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50100045)
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Keywords | 乳房炎 / アミノ酸オキシダーゼ / ラクトパーオキシダーゼ / 殺菌作用 / ホルモンによる制御機構 / マウスミルク |
Research Abstract |
(1)乳房中で細菌を殺す機構について マウスミルクに存在するアミノ酸オキシダーゼとラクトパーオキシダーゼを用いた。ゲルろ過を用いて分子量13万の分画からアミノ酸オキシダーゼ、分子量7万の分画からラクトパーオキシダーゼを得た。培養液における濃度は、マウスミルクの1/10に調整した。細菌として、乳房炎乳から分離したスタフィロコッカス、ストレプトコッカス、クレブシラ、大腸菌を用いた。アミノ酸オキシダーゼ単独でスタフィロコッカス、ストレプトコッカス、大腸菌の増殖が抑制された。クレブシラは増殖したがラクトパーオキシダーゼを添加すると増殖できなかった。クレブシラはカタラーゼ活性が高いため過酸化水素に抵抗性を示し、毒性は発生期の酸素によるものと考えられた。いずれにおいても2種類の酵素が必須であり、共存していても高い過酸化水素濃度であった。 (2)アミノ酸オキシダーゼ遺伝子の発現制御について 生体ではアミノ酸オキシダーゼ遺伝子は泌乳の開始に伴って発現する。そのホルモンによる制御を知る目的で妊娠中期のマウス乳腺を培養した。使用したホルモンはインシュリン、コーチゾル、プロラクチンの3種類である。インシュリンは細胞の生存に必要なため常に添加した。コーチゾル、プロラクチン単独では遺伝子発現は認められなかったが、両者を共存したとき発現が認められた。更にプロラクチンの細胞内刺激伝達系をブロックする薬物Ag490を添加すると用量に依存して発現が低下したことから直接係わるホルモンはプロラクチンであると結論した。このことからミルクタンパク質遺伝子と共通した制御様式であることが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagaoka K, Sakai A, Nojima H, Suda Y, Yokomizo Y, Imakawa K, Sakai: "A chemokine, interferon (IFN)-g-inducible protein 10 kDa, is stimulated by IFN-t and recruits immune cells in the ovine endometrium."Biology of Reproduction. 68. 1413-1421 (2003)
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[Publications] Nagaoka K, Nojima H, Watanabe F, Chang KT, Christenson: "Regulation of blastocyst migration, apposition, and initial adhesion by a chemokine, interferon-g-inducible protein 10 kDa (IP-10), during early gestation"The Journal of Biological Chemistry. 278. 29048-29056 (2003)
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[Publications] Nojima H, Nagaoka K, Suda Y, Sakai A, Imakawa K: "Increase in DNA methylation down-regulates conceptus interferon-tau gene expression"Molecular Reproduction and Development. (In press). (2004)
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[Publications] Hara KT, Sakuma Y, Sakai S. Nagata M, Aoki F: "Dynamic changes in the expression of protein tyrosine phosphatases during preim plantation mouse development"Journal of Reproduction and Development. 49. 323-328 (2003)