2004 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞クローン技術を利用した筋肉内脂肪蓄積原因遺伝子の解析
Project/Area Number |
14360166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 義之 京都大学, 農学研究科, 教授 (10041013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 宜永 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40253207)
谷口 幸雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (10252496)
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Keywords | 体細胞クローン / 筋肉内脂肪蓄積 / 原因遺伝子 / 発現プロファイリング / 機能検索 / リアルタイムPCR / マッピング / 候補遺伝子 |
Research Abstract |
・筋肉内脂肪蓄積能力が遺伝的に高いことが明らかな黒毛和種体細胞クローン牛群2頭とその能力が低いホルスタイン種牛群2頭の8、10、12および14ヶ月齢での最長筋に、当研究室で改良した定量的DD法および比較DD法による遺伝子発現プロファイリングを適用することで、脂肪交雑形成と関連があると予想される74個のディファレンシャルディスプレイバンドを検出した。 ・74個のディファレンシャルディスプレイバンドのシーケンス解析により、81個のシーケンスデータが得られ、そのシーケンスデータのホモロジー解析により、35個の既知遺伝子と42個の未知遺伝子にあてはめられることが明らかになった。 ・35個の既知遺伝子の機能について検索したところ、12個の遺伝子(BTG2、CDC10、MAF、SORBS1、PDHB、VAPA、SLC30A6、TTN、NEB、TRDN、EDG1、WBP2)については、筋肉内脂肪蓄積と関連する機能をもっており、脂肪交雑原因遺伝子の候補として注目された。 ・35個の既知遺伝子のすべて、および42個の未知遺伝子の29個について、リアルタイムPCRを用いた発現パターン解析を行ったところ、既知遺伝子では13個の遺伝子(NEB、WBP2、EDG1、SLCO1A2、Lark、MYH1、VIL2、SYNPO2、TTN、VAPA、TRDN、BTG2、CDC10)が、未知遺伝子では5個の遺伝子(a25-4、c2-11-2、c17-25-2、g8-7、g10-15)が、黒毛和種体細胞クローン牛とホルスタイン種牛との間で異なる発現プロファイルをもっており、脂肪交雑原因遺伝子の候補として注目された。 ・ウシRHパネルおよびウシ-ヒト種間比較染色体地図を用いたマッピングにより、既知遺伝子では12個の遺伝子(EDG1、TPT1、HBS1L、CSN1S1、PDHB、STARD13、CDC10、THOC3、VIL2、VAPA、RPS28、TRDN)が、未知遺伝子では2個の遺伝子(cl7-25-2、g10-15)が、ウシ脂肪交雑QTLが存在する染色体上にマッピングされた。 ・これらの実験結果より、既知遺伝子についてはNEB、WBP2、EDG1、TTN、VAPA、TRDN、BTG2およびCDC10が、未知遺伝子についてはc17-25-2およびg10-15がとりわけ興味深い脂肪交雑原因候補遺伝子と考えられた。
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Research Products
(5 results)