2002 Fiscal Year Annual Research Report
新技術による野生動物の生息地利用とその保全のための応用に関する研究
Project/Area Number |
14360198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 剛 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80302595)
鳥居 春巳 奈良教育大学, 自然環境教育センター, 助教授 (40273825)
青井 俊樹 岩手大学, 農学部, 教授 (70125277)
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Keywords | GPS / ニホンジカ / ニホンカモシカ / イノシシ / 行動圏 |
Research Abstract |
予算の執行が決定してからただちに準備を進め,初めにGPSの機種選定作業に入った.各社から情報をとりよせて検討した結果,カナダ,ロテック社のGPS_3000が最良であると判断された.これは1日4点の位置が15m程度の精度でロケーションでき,寿命は1年半である.脱落は寿命が近づいたら自動脱落するが,目視しながら電波を発信して脱落させることも可能である.そこでニホンジカ6頭,カモシカとイノシシそれぞれ2頭を注文した.しかしロテック社では製品開発を進行中で,発注後にGPS_3300の機能テストが成功したので,こちらのほうがよいと推薦され,変更することとした.これと並行して,調査地の選定をおこない,カモシカは岩手県盛岡市近郊の岩手大学演習林,ニホンジカは宮城県金華山島と富士山北麓,イノシシは福井県内に選ぶこととした.そして調査地の概況記述と,カモシカとニホンジカについては糞を採集した.これはGPS装着後行動圏があきらかになるが,その場合に森林内とオープンな場所とを比較し,どちら由来の植物をより多く利用しているかを明らかにするためである.現在サンプルは水洗し,液浸標本にしている.これはスチュワートのポイント枠法によって顕微鏡分析する予定である.このことは農林業被害を考える上でも重要な意味をもっている.カモシカについては3度の捕獲を試みたが成功していない.ニホンジカは金華山島において2003年3月の捕獲を実施に3頭のGPS装着に成功した.イノシシは初めての試みであるが,罠による捕獲を準備している.
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