2002 Fiscal Year Annual Research Report
リガンド分子を機軸とした線虫のインスリンシグナリングの多様性に関する研究
Project/Area Number |
14360208
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河野 強 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50270567)
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Keywords | 線虫 / ペプチドホルモン / インスリン / 寿命 / 休眠 / 脂質代謝 / 遺伝子工学 / タンパク発現 |
Research Abstract |
線虫のインスリンシグナリングは休眠・脂質代謝・寿命と多様な生命現象を制御する。本研究では,リガンド分子の側から複雑なインスリンシグナルを解明に迫ることを目的として,(1)線虫のインスリン様ペプチドCeinsulinsの調製(2)受容体DAF-2とCeinsulinsの結合定数の決定とリン酸化部位の同定を行うことにする。なお、本年度は,遺伝子工学による同ペプチドの大量調製とリフォールディングに注力して研究を行った。 【インスリン様ペプチドの発現と精製】発現ペクターpMALc2x(NEB社)に成熟ペプチドに対応する部分cDNAを導入し、マルトース結合タンパクとの融合タンパクとして発現させた。Ceinsulin-3は極めて良好な発現が認められたが、Ceinsulin-2はやや良好な発現が認められ、Ceinsulin-1は全く発現が認められなかった。よって、まず、Ceinsulin-3の発現実験を先行させた。目的の融合タンパクをアフィニティー精製し、ファクターXa消化によりペプチド部分を遊離させた。次いで、逆相HPLCにより目的のペプチドを精製・単離した。Ceinsulin-2もほぼ同様にして調製した。Ceinsulin-1に関しては、大腸菌を用いた発現を断念し、in vitroでの転写・翻訳システムによる発現を試みている。 【構造解析】アミノ酸配列分析を行い、目的のペプチドが得られたことを確認した。次いで、MALDI-TOF-MSによる分子量測定を行った。その結果、単離したペプチドは3対のジスルフィド結合を形成していることが判明した。続いて、酵素消化物を精製して得られたペプチド断片を解析したところ、期待される1対のジスルフィド結合形成を確認できた。他に2対のジスルフィド結合は、天然物の酵素消化物と比較することにより天然型であることを確認する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kimura, Y., Shimada, A., Kusano, M., Yoshii, K., Morita, A., Nishibe, M., Fujioka, S., Kawano, T.: "Myxostiolide, myxostiol, aiid clavatoic acid, plant growth regulators from the fungus Myxotrichum stipitatum"Journal of Natural Products. 65. 621-623 (2002)
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[Publications] Shimada, A., Kusano, M., Matsumoto, K., Nishibe, M., kawano, T., Kimura, Y.: "Pollen growth regulator, Fusanolide A, and a related metabolism from Fusarium sp"Verlag der Zeitschrift fur Naturforschung. 57. 239-242 (2002)