2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14360209
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小埜 和久 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10144883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 征子 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10034381)
秋 庸裕 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (80284165)
河本 正次 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (90294537)
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Keywords | ダニアレルゲン / アレルゲノーム解析 / 減感作治療 / 経口ワクチン |
Research Abstract |
ダニ抗原の網羅的アレルゲノーム解析を実施し、ダニアレルギー患者40検体について少なくとも1検体のIgEと結合するアレルゲンスポットを合計113スポット見いだした。このうち、臨床上重要と思われる高頻度反応性スポットをTOF-MS解析に供したところ、ダニ主要抗原Der f 2,Der f 10が同定された。更に今回、従来中程度のIgE反応成分として報告されている主要抗原Der f 7が我々の反応頻度マップ上で最上位にランクされることが判明した。これら既知の主要抗原以外にも新規のアレルゲンスポットを多数見いだしており、現在その構造解析を急いでいる。Der f 7の経口ワクチンとしての可能性を検証する足がかりとして醸造用微生物である酵母分泌発現系にて組換え型Der f 7を作製した。本組換えタンパク質は天然型Der f 7と同等の翻訳後修飾を受けており、IgE結合活性も天然型分子のそれに類似していた。更に本分子をダニ排泄物を抗原としたマウス喘息モデルに投与したところ気道炎症の著明な減退が認められ、ワクチンとしての有用性を示唆する結果も得た。 昨年度にて全一次構造を明らかにした高分子ダニ主要抗原Der f 14につき、未解析であったN末端断片に対するIgEおよびT細胞応答を調べたところ、既知領域であるMag1ならびにMag3と同等の活性を有していることがわかった。更に興味深いことに、本N末端領域はTh2サイトカイン産生を選択的に誘導する一方で、Der f 14の中間領域であるMag3断片は逆にTh1応答を誘導することが判明した。これらの結果はDer f 14のワクチン候補としての有用性を示唆する知見を与えるものである。すなわち、本アレルゲンのN末端領域に対するTh2応答の是正、あるいはMag3投与によるTh1応答の誘導を狙った減感作治療用ワクチンの創製が期待される。
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Research Products
(6 results)