2003 Fiscal Year Annual Research Report
高親和性ヒト抗体作製技術の開発と特異的治療・リスク評価法への応用
Project/Area Number |
14360210
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白畑 實隆 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90154377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照屋 輝一郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (10273971)
片倉 喜範 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (50264106)
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Keywords | 体外免疫 / ヒト型抗体 / アジュバント / ファージディスプレー法 / コメアレルゲン / TNF-α / ペプチド抗体 / 大量生産 |
Research Abstract |
(1)体外免疫の機構解明:体外免疫においては免疫応答を抑制している単球の除去が不可欠であることが判明した。抗原感作時に存在する単球は未熟樹状細胞様の表現型および活性を有し、抑制性の物質を分泌している。現在、抑制性タンパク質の分離・同定を行っている。まだ、アジュバントとして添加しているムラミルジペプチド(MDP)の代わりによりCpGオリゴデオキシヌクレオチドを添加することにより、体外免疫の効率を大きく改善できることが見いだされた。 (2)体外免疫・ファージディスプレー融合システムによる効率的ヒト抗体遺伝子可変領域の取得:体外免疫により抗原特異的抗体産生応答を誘導したリンパ球をファージディスプレー法に供する.ことにより、効率的に抗原特異的ヒト抗体遺伝子可変領域を取得することができた。抗体可変領域遺伝子の増幅、ファージディスプレー法の改良により、より大きなファージディスプレーライブラリーの構築が可能となった。体外免疫を行ったリンパ球の抗体可変領域遺伝子ファミリーを解析した結果、体外免疫により抗体遺伝子可変領域の変異が蓄積する傾向が認められ、より多様性に富んだ抗体遺伝子ライブラリーが構築できることが示唆された。 (3)抗ペプチドヒト抗体の作製:体外免疫の汎用性をより高めるために、ペプチドを感作抗原として用い、抗ペプチド抗体の取得を行った。抗原の立体構造に関する情報をもとに、高親水性領域および機能部位に対するペプチドを合成した。体外免疫の条件を至適化することにより、コメアレルゲン、コレラトキシンBサブユニットおよびTNF-αに対する抗ペプチド抗体産生B細胞の取得に成功した。これらの結果より、体外免疫系ではペプチドを用いることにより自己免疫寛容から逃れ、自己産生タンパク質に対する抗体産生誘導が可能なこと、立体構造情報をもとに合成されたペプチドも抗原として使用可能なことが示され、ペプチド抗原の有用性が認められた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Yamashita et al.: "Different individual immune responses by in vitro immunization"Cytotechnology. 4・1-3. 161-171 (2002)
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[Publications] S.-Y.Shim et al.: "Construction of an in vitro allergy reaction evaluation system using human leukemia cell lines"Cytotechnology. 4・1-3. 75-83 (2002)
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[Publications] S.-Y.Shim et al.: "Production of genetically engineered antigen specific human monoclonal IgE antibody"Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects. 12. 225-229 (2002)
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[Publications] M.Yamashita et al.: "CD8^+ T cells negatively regulate the antibody production from the human PBMC being immunized in vitro with antigen"Animal Cell Technology : Basic & Applied Aspects. 12. 231-234 (2002)