2004 Fiscal Year Annual Research Report
対物レンズ照射型エバネッセンス顕微鏡によるイオンチャネル動態の解析
Project/Area Number |
14370010
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (60144094)
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
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Keywords | Kチャネル / エバネッセンス顕微鏡 / 膜タンパク / 膜電位感受性色素 / 卵母細胞 / 一分子イメージング / コンフォメーショナル チェンジ |
Research Abstract |
本研究では、チャネル分子内の電圧感受性膜貫通セグメント(S4)の動きを捉え、膜電位というタンパク構造の調節要因がどのようにイオン透過部の構造変化に到るのかという点を解明することを目的とした。光学的な一分子測定の技術を用い、アフリカツメガエルの卵母細胞に発現させたKチャネルにおいて、電圧感受性ドメインに蛍光色素(テトラメチルロダミン)を結合させ、ゲート1個を対象にした動作解析をした。膜電圧を50mV脱分極にした場合とそれに続いて100mV脱分極した場合では、一分子像と思われる蛍光点の光量変化に基づくゲートの静止位置からの変位量は、電圧にアナログ的に比例するという結果となった。分子的な揺らぎによる状態の確率的な振動を直接的に検出することはできなかった。これは、ゲートの振る舞いがアナログ的であることを意味している。Kチャネルは、4量体構造を持つことで、イオンコンダクタンスをアナログ的に調節するA/D変換器であり、統計的にOpen-Closeの2状態をとるものであることが一応の結論となった。ただ、確立的な振動が観察されない理由として、細胞膜の凹凸が激しく、膜電圧固定が不完全である可能性も残された。 神経終末を使って、Kチャネルの蛍光信号から膜電位を光学モニターしながら、同時に開口放出をイメージングで捉えるという応用展開も進めた。この目的のために開口放出の高速(5ms/frame)観察に成功した。しかし、電位シグナルの方は明瞭には取れなかった。観察対象が小さい部分であることと、チャネルの発現量が低いことが問題であり、mRNAの注入に加えて、DNAの細胞内導入を試みる必要性もあると思われた。
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Research Products
(7 results)